車両を買い替えた際の仕訳を法人・個人事業主それぞれの場合について解説

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松井 元(まつい はじめ)

静岡県三島市の松井会計事務所に勤務する理系税理士。 文理両方のスキルの融合を考えており、このブログは以下を中心に更新している。
●税金・会計に関すること
●IT(Excel、VBAなど)を使った業務効率化
●自分のこと(考え、私生活)。

家族は妻子供2人の4人家族。
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頻繁にではありませんが、法人・個人事業主が事業に使っている車両を買い換えることがあります。

会計上仕訳を起こす際に、日々使う仕訳ではないので忘れてしまうことがあります。

車両の取引については以前にいくつか記事を書きました。

今日は、車両を買い替えた際のの仕訳を法人・個人事業主それぞれの場合について解説します。

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1、法人が車両を買い替えた場合の仕訳

決算日が3月31日の法人が、期首(4月1日)から3ヶ月後の6月30日に中古車を下取りに出して、新車を購入した場合を考えてみます。

中古車の情報

●期首帳簿価額 600,000円 
●下取り価額    800,000円
●耐用年数   6年
●償却方法   200% 定率法
●償却率    0.333
●リサイクル料(仮払金として計上済)   14,100円

新車の情報

●車両価格    4,860,000円(税込)
●税金・保険
  自動車税     5,700円
  自動車取得税  45,000円
  自動車重量税  15,000円
  自賠責保険料  44,640円
●預かり法定費用  6,240円
●リサイクル料   15,060円
●課税(消費税)諸費用  53,000円(税込)

さて、車両の買い替えの仕訳は中古車の売却と新車の取得を1つにして起こすので混乱しやすいのです。

ポイントは「中古車の売却」と「新車の取得」の仕訳を別々に起こしてから組み合わせるということです。

以下、順に説明しますね。

なお消費税の納税義務者である前提で、処理は税抜処理とします。

中古車の売却

法人の場合、車両(固定資産)の減価償却定率法を用いるのが原則です。

期首から売却時までの減価償却費の計算は、期首の帳簿価額に一定率を掛けて計算した金額を月割計算します。

期首(4/1)から売却日(6/30)までは3ヶ月間なので、減価償却費の計算は次のようになります。

減価償却費 = 期首帳簿価額 600,000円 × 償却率 0.333 × 3 ÷ 12 =49,950円

下取り価額 800,000円の中には仮払金として計上していたリサイクル料の分が含まれると考えます。

リサイクル料については、消費税の計算上は非課税売上に分類されます。

「仮受消費税等」の計算においては車両の売却分だけを考慮する必要があるので、リサイクル料の金額は除いて計算しています。

仮受消費税等 = (800,000円 ー 14,100円)/ 1.08 × 0.08 = 58,215円 

売却の仕訳は次のようになります。

Image(12)

上記仕訳は、リサイクル料の分の入金を別に考えると分かりやすいです。

Image(13)

また、売却時までの減価償却費を計上せずに仕訳を起こしても問題ありません。

Image(14)

売却時までの減価償却費は売却損益の中に含まれることになるので、減価償却費を計上する場合としない場合でトータルの損益は変わりません。

●減価償却費を計上する場合

損益 = 固定資産売却益 177,635円 − 減価償却費 49,950円 = 127,685円

●減価償却費を計上しない場合

損益 =固定資産売却益 127,685円 − 減価償却費 0円 = 127,685円

法人税法上も、減価償却費を計上する場合としない場合で「益金-損金」の額は同じになります。

新車の取得

次に新車の取得の仕訳です。

固定資産として「車両運搬具」科目に計上するものと、費用処理するもの区別して仕訳を起こすと次のようになります。

「仮払消費税等」は、車両価格 4,860,000円(税込)と諸費用 53,000円(税込)から計算しています。

仮払消費税等 =(4,860,000円 + 53,000円) / 1.08 × 0.08 = 363,926円

リサイクル料は「仮払金」に計上しています。

Image(15)

中古車の売却と新車の取得の仕訳を組み合わせる

さて、中古車の売却と新車の取得を別々の仕訳で起こしましたが、これらの仕訳を組み合わせて「現金預金」勘定を相殺します。

Image(16)

最終的に次のように計上できます。

Image(17)

慣れると、いきなり上記のような仕訳を起こすこともできますが、最初は分からなくて混乱しやすいので売却と取得を別々の仕訳で考えてから合算するようにした方が良いでしょう。

2、個人事業主が車両を買い替えた場合の仕訳

決算日が12月31日の法人が、期首(1月1日)から3ヶ月後の3月31日に中古車を下取りに出して、新車を購入した場合を考えてみます。

中古車の情報

●取得価額 1,800,000円
●期首帳簿価額 600,000円
●下取り価額    1,200,000円
●耐用年数 6年
●償却方法 定額法
●償却率 0.167
●決算日 12月31日
●売却日 3月31日
●リサイクル料(仮払金として計上済)   14,100円

新車の情報

●車両価格    4,860,000円(税込)
●税金・保険
  自動車税     5,700円
  自動車取得税  45,000円
  自動車重量税  15,000円
  自賠責保険料  44,640円
●預かり法定費用  6,240円
●リサイクル料   15,060円
●課税(消費税)諸費用  53,000円(税込)

中古車の売却

個人事業主の場合、減価償却費の計上は定額法が原則です。

期首(1/1)から売却日(3/31)までは3ヶ月間なので、減価償却費の計算は次のように計算できます。

減価償却費 = 取得価額 1,800,000円 × 償却率 0.167 × 3 ÷ 12 =75,150円

法人の場合と同じように仕訳を考えていきますが、個人事業主の場合「固定資産売却損益」は計上せずに事業主勘定(事業主借、事業主貸)を使います。

「固定資産売却益」が生じた場合には、譲渡所得として考えるため、事業の損益からは除いておく必要があるのです。

また、法人の場合と異なり売却日までの減価償却費は必ず計上しなければなりません。

(売却損益の計上ができないので、減価償却費と売却損益の相殺もできません。)

以下のようになります。

下取価額のうちリサイクル預託金(仮払金)の分は、法人の場合同様に「仮受消費税等」の計算上除いています。

仮受消費税等 = (1,200,000円 ー 14,100円)/ 1.08 × 0.08 = 58,215円 

Image(18)

新車の取得

新車の取得の仕訳は法人の場合と同様になります。

Image(15)[1]

中古車の売却と新車の取得の仕訳を組み合わせる

上記の売却と取得の仕訳を合算すると次のようになります。

現金預金勘定の相殺↓

Image(19)

最終的に次のように計上できます。

Image(20)

3、まとめ

車両の買い替えの仕訳は慣れるまでは混乱しやすいです。

売却と取得、それぞれの仕訳を理解するところからはじめて最終的には、一気に買い替えの仕訳まで起こせるようにステップアップしていきましょう。

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