静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!
事業についての給付金である『持続化給付金』があります。
新型コロナウイルスの支援策の1つとして、法人が最大200万円、個人事業主が最大100万円もらえる給付金のことです。
4/27 に経済産業省のHPでガイダンスが出ましたので、最新の内容を整理したいと思います。
・持続化給付金申請要領 個人事業者等向け
・持続化給付金申請要領 中小法人等向け
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持続化給付金の申請に使う売上は税込か税抜か? 発生主義か現金主義か?ということについては、こちらの記事↓ で考察しておりますのでよろしければどうぞ!
また、持続化給付金の税金については、こちらの記事↓ で考察しておりますのでよろしければどうぞ!
持続化給付金をもらえる条件
持続化給付金をもらえる条件についてお話しします。
・対象者
・事業継続
・売上減少
のそれぞれにつき、以下の条件を満たす必要があります。
対象者
中小企業(中堅・中小法人)や個人事業主は、給付を受けることができます。
会社以外でも医療法人、農業法人、NPO法人なども対象となっております。
なお、資本金が10億円以上の大企業は除くとされています。
また、風俗店や宗教団体なども対象外となっております。
事業継続
2019年以前から事業をやっており、売上を得ていなければなりません。
そして、今後も事業を継続する意思があることが必要です。
(廃業予定の場合は対象外です。)
2019年に開業した事業者は対象となります。
しかし、残念ながら 2020年に入ってから開業した場合は対象外です。
売上減少
新型コロナウイルスの影響で、売上が大幅に減少していることが条件です。
具体的には
2020年1~12月の間で、前年(2019年)とくらべて売上が50%以上減少した月があること
が条件です。
申請を行う月の、1つ前の月までが対象です。
判定の仕方は
・法人
・青色申告の個人事業主
・白色申告の個人事業主
で少し変わってきます。
それぞれ説明して行きますね!
2020年5月3日追記
なお、よくある質問Q8で確認できるのですが、「不動産収入や給与収入、雑所得等は事業収入(売上)に含まない」ということです。
個人で、アパート賃貸などで不動産収入を得ている方(事業はやっておらず)は、残念ながら給付金を受けることはできません。
法人・青色申告の個人事業主
法人・青色申告の個人事業主についてです。
くらべる前年(2019年)の売上は、同月のものを使います。
例えば 2020年9月になってから、以下のことが分かった場合
・2020年8月の売上が 45万円
・2019年8月の売上が 100万円
8月の売上は50%以上減少しているので、条件に当てはまることとなり、9月には申請ができます。
なお、前年同月とくらべて50%以上減少した月がいくつもある場合は、その中からひと月を選ぶことができます。
後でお話ししますが、この場合どの月を選ぶかによって、給付額(もらえる金額)が変わってきます。
前年(2019年)の売上の金額として使う数字は、青色申告の個人事業主と法人で、それぞれ以下のようになります。
青色申告の個人事業主の場合
2019年の所得税青色申告決算書における「月別売上(収入)金額」を用います。
法人の場合
法人税確定申告書の別表1の「売上金額」欄に記載されているものと同じ考え方によるものです。
添付書類にもなっている、法人事業概況説明書の「月別の売上高等の状況」の数字を用いれば良いでしょう。
白色申告の個人事業主
白色申告の個人事業主についてです。
くらべる前年(2019年)の売上は、一年間の月平均の売上を使います。
例えば 9月になってから、以下のことが分かった場合
・2020年8月の売上が 45万円
・2019年一年間の月平均の売上が 110万円
売上は50%以上減少しておりますので、当てはまることとなり、9月には申請ができます。
なお、先と同じく、50%以上減少した月がいくつもある場合はひと月を選ぶことができます。
持続化給付金の給付額(いくらもらえるか?)
給付額、つまり いくらもらえるか? につきましては
●法人が最大で 200万円
●個人事業主が最大で 100万円
となっております。
気を付けて頂きたいのは、最大という言葉のとおり、それだけもらえるとは限らないということです。
給付額の計算は以下のように行います。
前年の総売上(事業収入)-(前年同月比▲50%月の売上×12ヶ月)
なお、計算した結果、10万円未満の端数があるときは切り捨てます。
・法人
・青色申告の個人事業主
・白色申告の個人事業主
それぞれについて説明しますね。
法人・青色申告の個人事業主の場合
法人・青色申告の個人事業主についてです。
仮に
・2020年8月の売上が 45万円
・2019年8月の売上が 100万円
・2019年の総売上が 730万円
だったとします。
そして、8月の売上で50%以上減少していると判定したとします。
●青色申告の個人事業主の場合の給付額の計算は、以下のようになります。
給付額は、最大である100万円を超えているので 100万円となります。
法人の場合の給付額の計算は、以下のようになります。
●次に法人の場合の場合の給付額の計算を以下に示します。
先の計算式の中で出てきました「前年の総売上」は暦年ではなくて、前事業年度の総売上を使います。
3月決算の場合、下図のように2019年度の総売上を使うことになります。
給付額は、最大である200万円に達しないので 190万円となります。
白色申告の個人事業主の場合
白色申告の個人事業主についてです。
仮に
・2020年8月の売上が 45万円
・2019年一年間の月平均の売上が 110万円
・2019年の総売上が 1,320万円
だったとします。
50%以上減少している8月の売上で売上減少の判定したとします。
その場合の、給付額の計算は、以下のようになります。
給付額が 780万円となり、個人事業主の最大である 100万円を超えます。
したがって、この場合の給付額は 100万円となるわけです。
『持続化給付金』のオンライン申請方法・添付書類
『持続化給付金』のオンライン申請方法と添付書類についてお話しします。
申請期限
まず、申請開始日は補正予算成立の翌日からとされています。おそらく 2020年5月1日から申請できるようになると思います。
申請期限は、2021年(令和3年)1月15日までです。
2020年12月の売上を使って売上50%減少の判定をする場合には、年が明けてからすぐに
12月の売上をはっきりさせなければなりません。
そして、1/15までに申請する必要があるということになります。
申請方法
申請は基本オンラインで行います。
なお、オンライン申請が難しい方に向けては、全国で順次窓口が開設される予定です。
完全予約制ということです。
オンラインでの申請にあたり、メールアドレスが必要です。ID、パスワードを取得してマイページを作成します。
申請手順は、以下のとおりになります。
・持続化給付金申請要領 個人事業者等向け p3
・持続化給付金申請要領 中小法人等向け p3
添付書類
添付書類は、個人事業主と法人で違います。
それぞれ説明しますね!
なお、添付する各データの保存形式はPDF・JPG・PNGとされています。
以下を添付する必要があります。
②対象月の売上がわかるもの
③申請者本人名義(法人は法人名義)の振込先口座の通帳の写し
④本人確認書類
⑤その他事務局が必要と認める書類
*④は個人事業主のみとなります。
①確定申告書類
個人事業主、法人とも添付が必要です。
●青色申告をしている個人事業主の方は、以下2点が必要です。
・2019年分の所得税青色申告決算書の控え
●白色申告をしている個人事業主の方は、以下1点が必要です。
●法人は、以下2点が必要です。
・法人事業概況説明書の控え
なお、個人事業主・法人とも少なくとも「確定申告書第一表の控え」には、収受印日付が押されている必要があるとされています。
収受印といのは、確定申告書を書面で提出した場合に、税務署でを押してもらえる日付付きの印です(控えにも押してもらえます)。
電子申告している場合は、以下のようなe-tax の受信通知(メール詳細)、または納税証明書が収受印の代わりになります。
なお、e-tax の受信通知(メール詳細)または納税証明書の添付を忘れてしまう人が多いので気を付けましょう。
これを忘れてしまうと、思わぬ時間のロスになってしまいます。
②対象月の売上がわかるもの
個人事業主、法人とも添付が必要です。
以下のようなものになります。形式の指定はありません。
・経理ソフトから出したデータ
・エクセルデータ
・手書きの売上帳
・持続化給付金申請要領 個人事業者等向け p17
・持続化給付金申請要領 中小法人等向け p16
③申請者本人名義(法人は法人名義)の振込先口座の通帳の写し
こちらも個人事業主・法人ともに必要です。
以下を確認できるようスキャンまたは撮影することとされております。
銀行名・支店番号・支店名・口座種別・口座番号・名義人
*法人の場合、法人の代表者名義も可とされています。
これら↑ を確認できるように、必要に応じて通帳の表面と通帳を開いた1・2ページ目の両方を添付します。
なお、電子通帳の場合は、画面の画像を提出すればよいということです。プリントスクリーンした画像でよいと思います。
④本人確認書類
個人事業主のみが必要です。
下記のいずれかの写しを住所・氏名・顔写真がはっきりと判別できるかたちで添付する必要があります。
(1)運転免許証(両面)(返納している場合は、運転経歴証明書で代替可能。)
(2)個人番号カード(オモテ面のみ)
(3)写真付きの住民基本台帳カード(オモテ面のみ)
(4)在留カード、特別永住者証明書、外国人登録証明書(在留の資格が特別永住者のものに限る。) (両面)※いずれの場合も申請を行う月において有効なものであり、記載された住所が申請時に登録する住所と同一のものに限る。
なお、(1)から(4)を保有していない場合は、(5)又は(6)で代替することができるものとします。
(5)住民票の写し及びパスポート(顔写真の掲載されているページ)の両方
(6)住民票の写し及び各種健康保険証(両面)の両方
まとめ
新型コロナウイルスの支援策の1つ、事業についての給付金である『持続化給付金』について、4/27 に出されたガイダンスの内容を整理させて頂きました。
給付を受けることを考えている方は、手順を確認して必要な書類を準備するようにしましょう。
また、今後受ける可能性がある方は、月々の売上をタイムリーに把握するようにしてください。
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持続化給付金の申請に使う売上は税込か税抜か? 発生主義か現金主義か?ということについては、こちらの記事↓ で考察しておりますのでよろしければどうぞ!
また、持続化給付金の税金については、こちらの記事↓ で考察しておりますのでよろしければどうぞ!