このブログを読んで頂いている方ならご存知の方も多いと思いますが、税法は毎年改正されます。
つい最近、税理士会の研修で平成30年度の税法改正内容に関するものがありました。
私も平成30年度の税法改正について何回か記事を書いています。
この業界に入って感じているのですが、毎年知識を「アップデート」しなければならないのも容易ではないですよね。。
自分は元エンジニアで現在は税理士と、職業的になこれまで2つを経験してきたわけですが、この「アップデート」の概念はエンジニアの仕事にもありました。
今日はエンジニア時代と税理士である現在の「アップデート」の違いについて書いてみようと思います。
「アップデート」という表現は厳密ではなく、概念的なものとして使っている点をご容赦下さい。
1、職業別のアップデートの概念
エンジニアも税理士もアップデートを続けなければならない職業です。
ただアップデートするものは違います。
エンジニア時代のアップデート
アップデートという表現を使っていますが、エンジニアの場合「新しいモノを作る」という意味になります。
ベースとなる物理の理論、設計の技術などの知識的なものは古くからあるものが多く(もちろん新しい発見もありますが)、それらを使って新しいモノを作り上げます。
ベースとなる要素(知識的なもの)は大きく変わらないけれども、それらを元に作られるモノは常に新しいモノです。
どう新しいモノを作るか? という思考が重視される仕事でした。
現在もやっているプログラミングで作るツールだってそうです。
if 文、For 文などの個々の知識的な要素は昔から変わらないけど、それらを使ってどんどん新しいツールができてきています。
プログラミングをやったことがある方でしたら分かると思うのですが、完成したツールは正に思考を凝らして作られた新しいモノですよね。
税理士のアップデート
さて、税理士のアップデートは「新しい知識を詰め込む」ということになります。
冒頭に書いたように税法は毎年改正されるのでその都度勉強し直さなければなりません。
所得税申告書や法人税申告書と作り上げるものは毎年変わりませんが、それを作る上でのルールは毎年変わります。
そのルールを覚えなければなりません。
先に書いたエンジニア時代の仕事との対比と表現を合わせれば
作り上げるモノは変わらないけれども、ベースとなる要素(知識的なもの)は毎年新しくなります。
税理士の仕事というのは、やはり知識が重視される仕事です。
2、知識の網を張る
税法は毎年改正されますが、改正の理由がよく分からないものも多いです。
例えば、税金の計算の仕方が変わる境目となる金額(●●円以上はこう処理して、それ未満はこう処理する)に変更がある場合においても、なぜその金額に変更があったのか理由が今一つ分かりません。
結局は暗記的に覚えるしかない場合も多いです。
常に理屈がはっきりと分かるものばかりであれば、理屈を辿って細部を思い出すことができると思うで良いのですが。。。
覚えることが多く細かいことまで全て鮮明に覚えきれているものばかりではなりません。どうしても時間が経てば忘れることはあります。
(確定申告の時期になれば、毎年復習が必要ですし。。法人の決算の際にも、あれどうやるんだったかな? って調べなおすことは多いです。)
ただ、自分の中で大事だと思うことは知識の網を張るということです。
例えば、平成30年度の大綱で改正があった
・事業承継税制の特例
・所得税の基礎控除額の増額
・給与所得控除額の減額
・雇用促進税制の適用要件と控除額の変更
・
・
など、どのような変更があったか定性的には(○○が増えた、減ったぐらいのレベル)覚えておかなければなりません。
最低でも改正があったことは知っておかなければなりません。
細部の数字をすべて厳密に覚えていることは不可能なので、必要な際に調べなおせば良いですが、こういう制度(改正)があるということが抜け落ちている・知らないのはまずいです。
・税理士会で主催される研修や一般で実施されている研修を繰り返し受け続ける
・Facebook や Twitter、ブログで流れてくる情報をチェックする
などして、知識の網を張るようにしておかねればなりません。
実務で該当するものが出てきた場合に、ちゃんと反応できるようにするためです。
3、まとめ
エンジニアと税理士の仕事の違いについては Youtube でお話しさせて頂いておりますので、よろしければどうぞ!
エンジニア時代の仕事と今現在の税理士としての仕事、どちらもアップデートは必要ですがアップデートすべきものは異なります。
税理士は知識のアップデートが常に必要な仕事であることが、最近よく分かってきました。
欠かさず行っていきたいところですね。