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確定申告書は所得税計算の流れを意識しながら理解しよう!


年が明けたらすぐに、個人の所得税の確定申告の時期になります。

確定申告が必要な方は 3/15 までに確定申告書を税務署に提出しなければいけません。

手書きの書面でも、電子申告でもどちらの方法でも提出できます。

さて、今日は確定申告書のどこに何を書くのか、所得税計算の流れをお話しします。

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1、所得税計算の流れを覚える

飲食店、美容室などを営んでいる個人事業主の場合、税金(所得税)は以下の式で計算します。

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さて①収入、②所得、③所得控除、④課税所得、⑤所得税というキーワードが出てきます。

確定申告書を見れば最終的に求めたい⑤所得税を計算する流れが分かるのです。

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2、各区分の内容

上記の①~⑤は ① → ② → ③ → ④ → ⑤ の順番で計算して行きます。

飲食店、美容室などを営んでいる個人事業主を前提としますね。

収入

まずは収入からお話しします。

個人事業主にとっての収入は売上になります。

1年間(1/1 〜 12/31)の売上が 13,654,000円の場合、次のように記載します。

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所得

所得(事業所得)は、収入から経費(等)を差し引きした金額です。

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経費とは収入を上げるために必要に出費のこと。今回、経費は 5,139,500 円 だったとします。

また、個人事業主の場合、10万円 または 65万円の青色申告特別控除を受けることができます。

今回、650,000円の青色申告特別控除を受けるものとします。

すると所得は以下のように計算できます。

所得(事業所得) = 13,654,000円 - 5,139,500円 - 650,000円 = 7,864,500円

確定申告書には、次のように記載します。

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なお、青色申告特別控除の金額はその他の欄に記載します。

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所得控除

次に、所得から差し引く所得控除の記載です。

所得控除とは個人の状況に応じて所得から差し引きすることができる金額で、これがあることで所得税が小さくなります。

以下のようなものがあります。

誰でも一律 38万円の基礎控除を受けることができます。

家族を扶養している人は、配偶者控除扶養控除を受けることができます。

また、女性は寡婦であれば寡婦控除、男性は寡夫であれば寡夫控除を受けることができます。

社会保険料や小規模企業共済は、1年間に支払った金額をそのまま差し引きできます。

医療費の支払いがある場合は、10万円(または所得の 5%)を超えれば医療費控除を受けれます。

さて、今回妻を扶養に入れており、小規模企業共済への支払いが年間 60万円ある場合を考えてみます。

その場合、基礎控除、配偶者控除、小規模企業共済掛金等控除、合計を以下のように記載します。

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課税所得

さて、次に課税所得を計算します。

課税所得というのは、所得税を計算する一歩手前の状態です。

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今回の例では、所得(事業所得)が 7,864,500円で所得控除が 1,360,000円です。

課税所得 = 7,864,500円 ー 1,360,000円 = 6,504,500円 ≒ 6,504,000円(1,000円未満切捨て)

課税所得は次のように記載します。

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所得税

そして、この課税所得に税率を掛けて所得税を計算します。

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課税所得の金額によって税率は変わります(課税所得の金額が大きいほど、税率も大きくなる)。

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今回の場合、課税所得は 6,504,000円 なので税率は 20%となります。

所得税 = 6,504,000円 × 20% - 427,500円 = 873,300円

これからさらに所得税の2.1%分の復興特別所得税を計算します。

復興特別所得税 = 所得税 × 2.1% = 18,339円

所得税と復興特別所得税を合わせると

所得税 + 復興特別所得税 = 891,639円 ≒ 891,600円(千円未満切捨て)

これらは以下のように記載します。

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3、収入、所得の記入箇所は所得区分によって異なる

さて、先に示しました確定申告書の ① 〜 ⑤。

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③所得控除 、④ 課税所得、⑤所得税の欄は所得の種類によらず記載の仕方は共通です。

それに対して①収入、②所得の欄は全 10種類の所得のうちどの所得があるかによって記載する箇所が変わります。

サラリーマンの給料は以下のところに記載することになります。

4、まとめ

確定申告書は収入、所得、課税所得、所得税の順番に計算していく流れが分かるようになっています。

どこに何をかけば良いのか、確認いただければと思います。

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編集後記

昨日(12/13)は午前中は税理士会。

夕方には、年が明けてから担当する租税教室の打合せで母校に行きました。校舎の中に入るのは25年ぶりでした。

担当の先生とお話しさせて頂き、当日の講義の内容がだいたい決まりました。

また、自分が中学生の時にお世話になった先生久しぶりにお会いすることができて嬉しかったです!

三島南中学校