青色申告という言葉を聞くことは多いと思います。
青色申告というものについて、以下の点を解説致します。
・青色申告するとどんな特典を受けれるのか?
Youtube に動画もアップしておりますので、参考にして下さい!
1、青色申告とは何か?
個人の確定申告には、白色申告と青色申告の2つの種類の申告方法があります。
白色申告には特典はありませんが、青色申告は記帳などが大変だけど税金を安くできる特典がある申告方法ということになります。
青色とか白色とか色にも由来があるようですが、まぁそこはあまり追求しなくても良いかと。
まずは
●白色申告・・・特典がない申告方法
●青色申告・・・特典がある申告方法
と覚えましょう!
青色申告は誰でもできるわけではありません。
青色申告することができる人は事業所得、不動産所得、山林所得のいずれかの所得がある人になります。
上記のいずれかの所得がある人が「青色申告承認申請書」を税務署に期限までに提出していれば、税金を安くするための様々な特典を受けれますよ!
というのが青色申告の制度になります。
青色申告承認申請書の書き方については、Youtube動画にアップしておりますので参考にしてください。
2、青色申告するとどんな特典を受けれるのか?
青色申告をすることによって、税金を安くできる特典を受けることができます。
さて、税金を安くできる特典を説明する前に簡単に個人の所得税の計算についてざっと説明しておきますね。
個人の所得税は、以下の計算式で計算される「所得」に税率を掛けて計算します。
売上が大きく経費が小さいほど所得は大きくなり、逆に売上が小さく経費が大きいほど所得は小さくなります。
そして、所得が大きくなるほど所得税も増えることになるんですね。
青色申告をすると、白色申告の場合よりも上記の式の「経費」の金額を大きくすることができ「所得」が小さくなります。
それによって「所得税」の金額を小さくすることができるのです。
具体的には青色申告することで、以下の特典を受けることができます。
・損失の3年間繰り越し(翌年以降の利益からマイナスできる)
・貸倒引当金の経費算入
・30万円未満の固定資産の即時償却
・青色申告特別控除を受けることができる
順番に説明していきますね!
専従者給与(家族への給与)の経費算入
一緒に暮らしている家族に対して専従者給与を支払い「経費」にすることができます。
「青色事業専従者給与に関する届出書」に専従者給与の金額を記入して税務署に提出する必要があります
なお、専従者給与の額は期中(1年間の途中)に自由に変更することはできません。
専従者として認められるためには以下を満たしている必要があります。
・その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
・その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
専従者給与については Youtube 動画でも解説しておりますので、参考にして下さい。
損失の3年間繰り越し(翌年以降の所得からマイナスできる)
ある年の所得がマイナスだった場合、つまり損失が生じた場合に翌年以降の所得から3年間にわたり控除することができます。
例えば所得が次のようになった場合を考えてみます。
・ある年(X1年)の所得が △300,000円 の赤字
・翌年(X2年)の所得が +100,000円 の黒字
・翌々年(X3年)の所得が +450,000円 の黒字
この場合に実際に課税される所得の金額を計算してみたいと思います。
白色申告の場合
白色申告の場合、各年の所得金額でそのまま所得税を計算します。
青色申告の場合
X1年は所得が△300,000円の赤字で計算しますが、X2年、X3年は元々の所得から繰越損失額をマイナスすることができるのです。
繰越損失額はX1年が 300,000円、そのうち X2年の所得からマイナスされる金額が 200,000円あるので、X2年では 200,000円(=300,000-100,000円)となります。
そして、その 200,000円がさらに X3年に繰り越されて所得から控除されます。
このように白色申告の場合と比べて X2年、X3年と繰越損失額の分だけ所得の金額を小さくできるのです。
貸倒引当金の経費算入
業種別に売掛債権、金銭債権の期末残高に一定割合(業種によって異なる)を掛けて計算した貸倒引当金繰入額として経費にすることができます。
単価が30万円未満の固定資産の即時償却
単価が30万円未満の固定資産の取得価額を全額取得した期の経費として処理することができます。
なお、経費として処理することができる金額は消費税の計算を税込方式で行っている場合は税込額、税抜方式で行っている場合は税抜額となります。
単価が30万円未満の固定資産を購入した場合に、必ず即時償却をしなければならないわけではなく、選択できます。
青色申告特別控除を受けることができる
10万円又は65万円の青色申告特別控除を受けることができます。
青色申告特別控除は以下の式の「経費(等)」に含まれるので、所得を小さくすることができます。
なお、65万円の青色申告特別控除を受けるためには10万円の場合よりも要件が厳しくなります。
要件については詳しくはこちらの記事↓を参考にして下さい。
3、まとめ
事業所得、不動産所得、山林所得がある場合に青色申告をすることによる税金面のメリットは大きいです。
一方で白色申告だとメリットがありません。
現在(2018年)白色申告の場合においても、簡単な帳簿は付けることが義務付けられているのですごく楽ということはありません。
どのみち帳簿を付けるのであれば、青色申告をして特典を受けるようにした方が良いので、該当する所得がある方は積極的に「青色申告」をするようにしましょう!
Youtube に動画もアップしておりますので、参考にして下さい!
青色申告については分かりやすい本も出ていますので、参考にして下さい↓
編集後記
昨日(9/12)は終日西伊豆方面へ出張し、今月申告の法人の決算に向けて不明点のつぶし込み。
昼食はちょっと奮発して、土肥金山で太刀魚天丼を食べました↓