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扶養に入るとはどういう意味か? 税金(所得税・住民税)と社会保険の扶養に入るメリットを解説


会計事務所に入る前は「扶養に入る」「扶養に入れる」という言葉を聞いても何のことかさっぱり分かりませんでした。

給与が少ないから養われるってことなんでしょ?? くらいにしか感じておらず

扶養に入るとどんなメリットがあるのか?
も全く分かっていませんでした。

自分は5年ちょい前まではエンジニアだったし日頃そういうことに触れる機会も無かったのですが、、、しかし、今思えばエンジニアに限らず会計事務所や経理の仕事をしている人以外には案外馴染みの無い言葉なのかも知れません。

今日は、当時の自分に説明するつもりでこの辺りのことを説明したいと思います。

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1、扶養に入る(入れる)メリットは?

税金(所得税・住民税)と社会保険料について「扶養」という言葉があります。

家族の中で収入が多い人は少ない人を生活面で養います。

食費や家賃、光熱費などの家族の生活費って共同ですよね。

税金(所得税・住民税)

税金(所得税・住民税)において「扶養に入る(入れる)」と言うと、

家族内で収入が多く他の家族を養っている人の税金を安くするということになるんですね。

夫が収入の無い(あるいは少ない)妻と子供を養っている場合であれば、家計の面で負担が大きいので夫の税金を減らしましょう! って考えです。

社会保険

社会保険において「扶養に入る(入れる)」と言うと、

家族内で収入が多く他の家族を養っている人が社会保険(厚生年金・健康保険)に加入して保険料を納めれば、他の家族も社会保険サービスを受けれるということです。

夫が収入の無い(あるいは少ない)妻と子供を養っている場合であれば、以下のようなメリットががあります。

・妻は厚生年金保険料を支払わなくても将来の年金を受けれる
・妻、子供とも病院にかかったときは医療費負担が減る

2、扶養に入る場合の収入面での損得は家族の手取り額の合計で考える

さて、夫が家族の稼ぎ頭の場合、妻や子供が扶養に入った方が収入面で得か損か? という話が出てきます。

妻や子供に全く収入が無ければ、所得税、社会保険料とも夫の扶養に入れた方が得なのは間違いありません。

一方で妻や子供にもバイトやパートで収入がある場合は、税金(所得税・住民税)、社会保険料とも夫の扶養に入るか否かで家族の手取り額の合計が変わります

所得税・住民税

所得税は以下の計算式で計算されます。

住民税の式も同様になります。

さて、夫の所得税・住民税の計算において妻や子供を扶養に入れる場合、上の式の所得控除(所得税 38万円、住民税 33万円)を受けれるのでその分課税所得が低くなり、税金が安くなります。

●配偶者が扶養に入る場合はこの所得控除のことを「配偶者控除」
●それ以外の家族が扶養に入る場合はこの所得控除のことを「扶養控除」

といいます。

ただ、妻や子供が扶養に入れるのはバイトやパートの給与収入が年間103万円以下の場合です。

それを超えると扶養に入れず、夫は税金の計算上所得控除を受けることができません。

社会保険料

ここで言う扶養に入れる社会保険というのは、

・妻にとっては厚生年金と健康保険、
・子供にとっては健康保険

となります。

妻や子供が社会保険の扶養に入れるのはバイトやパートの給与収入が年間130万円未満の場合です。

130 万円以上になると、国民年金保険料(20歳以上の場合)、国民健康保険料を納めなければならなくなります。

※なお130万円というのはあくまで社会保険の扶養に入れるか否かの要件であって、加入しなければならないか否かの要件ではありません。

手取り額の合計額

さて、家族を扶養に入れるかどうかで変わってくるのは家族の手取りの合計額です。

夫と妻に収入がある場合(子供はいない)を例にとりますね。

妻の「バイト収入」と「家族の手取りの合計額」の関係は次のようなグラフのイメージになります。

妻はバイト収入(給与収入)が100万円を超えると住民税を納めなければならなくなります。

また、103万円を超えると妻は所得税を納めなければならなくなると同時に夫の扶養に入れなくなります。

ただ、夫は妻の収入が103万円を超えても201万5,999円以下なら段階的に配偶者特別控除という控除を受けれるので税金が劇的に増えることはありません。

したがって、妻のバイト収入が103万円を少し超えても手取りの合計額は下がりません。

ただ、妻はバイト収入が130万円以上になると自分で国民年金保険料、国民健康保険料を支払わなければならず、これがけっこうな負担になります。

手取りの合計額もいったんガクッと下がってしまい、妻のバイト収入がだいたい160万円くらいになるまで増えません。

ですので、妻のバイト収入が130万円少し超えそうなくらいなら抑えて夫の扶養に入った方が得策と言えるでしょう。

もう1点、所得税・住民税の扶養について、子供がいる夫婦で夫と子供に収入がある場合を例にとり説明します。

子供の「バイト収入」と「夫と子供の手取りの合計額」の関係は次のようなグラフのイメージになります。

子供のバイト収入が103万円を超えると一旦は手取りの合計額が下がります。

妻に収入がある場合と違い、夫が配偶者特別控除のような段階的な所得控除を受けれないからです。

ただ、下がると言ってもそれほど大きくはなく様々な条件にもよりますがだいたい 110万円くらいで再び増えるでしょう。

妻の場合と同じく 130万円に達するかどうかの方が重要と考えます。

子供の収入が 130万円以上で国民健康保険料を支払わなければならなくなり、手取りの合計額が下がりますので、子供のバイト収入が130万円を少し超えそうなくらいなら抑えて父親の扶養に入った方が得策と言えるでしょう。

3、まとめ

扶養とは何か? 扶養に入る(入れる)メリット? について書いてみました。

家族の手取り額で見た場合、夫が稼ぎ頭の家であれば妻や子供がどれくらい働けるかで、夫の扶養に入る方が良いか否か変わってきます。

妻や子供がフルタイムで十分に働けるのであれば、そうした方が家族トータルの手取り額は増えます。

ただ、そうではなく

・妻または子供の収入が 130万円を少し超えそう
・子供の収入が 103万円を少し超えそう

このような場合↑ であれば、収入を抑えて扶養に入る方が得策と言えるでしょう!

今度、具体的な金額を例にあげて家族の手取り額の試算をしてみたいと思います。

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