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ブロガーが記事の執筆依頼の費用を外注費として処理する場合の注意点、給与とみなされる可能性もあり


ブログの広告収入(アフィリエイト収入)で生計を立てている凄い方が一定数はいます。

私もアフィリエイト収入を得てはいますが微々たるものです。。

さて、職業としてブログを更新し生計を立てている方々は、個人事業主としてあるいは一人社長としてやっていることになるでしょう。

事業としてブログをやる場合、記事の執筆を外注する人もいるようです。

外注と言えば、建設業界でも業務委託することが多いです。

そして、外注先は個人(会社ではない)であることもしばしば。

建設業の税務調査でよく指摘を受けてしまうケースとして、「外注費」として処理してある個人への支払いを「給与」とみなされてしまうことがあります。

そして、その結果不足していた税金を支払うことになり、かつ加算税も支払わなければならないという。。

少ないとは思いますが、これは記事の執筆を外注するブロガーにも起こり得ることです。

今日はブロガーが他の個人(会社ではない)に記事執筆を依頼して、費用を外注費として処理する場合の注意点についてお話しします。

なお、以前に建設業を取り上げてお話しした記事はこちらになります ↓

川

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1、問題の背景・大きいのは消費税

問題の背景

まず、費用が「外注費」か「給与」か? という判断の問題が起こった背景についてお話しします。

●「外注費」というのは外部の人に対する業務委託の対価

●「給与」というのは従業員に対する労働の対価

ということになります。

そして支払う方からすると、以下の点で「外注費」の方が負担が少なく済むわけです。

・消費税を減らせる

・所得税を源泉徴収しなくても良い

・社会保険料に加入しなくても良い

個人への支払いを外注費として処理できれば上記の利点があるので、実際には給与であるものを外注費として処理する会社・個人事業主が多かったのです。

そのため、近年税務調査で厳しく見られるようになりました。

※税務調査で見られるのは税金のみです(主に消費税)。社会保険料についてまでは言われません。

こういった背景があるので個人への支払いを外注費として処理して良いものか? ちゃんと実態を考慮して決める必要があるわけです。

消費税

さて厳しく見られる原因となっている消費税についてもう少し。

会社も個人も 2年前の売上が 1,000 万円を超える場合、消費税を支払わなくてはなりません。

消費税の基準期間

ブロガーにとっての売上はアフィリエイト収入などですかね。

原則として、1年間(上の図の X3年)の売上に含まれる消費税から費用に含まれる消費税をマイナスして、支払う消費税が決まります。

支払う消費税

上記が原則的な消費税の計算方法で原則課税と呼びます。

費用には消費税を含むものと含まないものがあるのです。

ちなみに同じ額の支払いでも外注費の場合は消費税を含むのでその分マイナスできますが、給与の場合は消費税を含まないのでマイナスできません。

外注費・給与とした場合

それゆえ、原則課税のもとでは、同じ額の支払いなら外注費の方が消費税を少なくできて得なので、外注費にしたがる人が多いのです。

さて、もう1つ。

売上が 1,000万円を超えても 5,000万円以下であれば簡易課税という制度を採用でき、その場合は費用には関係なく、売上に含まれる消費税に決まった割合を掛け算した金額分だけマイナスして支払う消費税額が決まります。

簡易課税の場合

原則課税と簡易課税はどちらが得か(消費税額を少なくできるか)を考慮して選択できます。

*簡易課税は一度選択したら 2年間は継続して選択しなければなりません。

そして、ざっくりと言って費用が大きい場合は原則課税の方が得、小さい場合は簡易課税の方が得となるんですね。

ブロガーのように費用が少ない職種の場合は、簡易課税を採用した方が得な場合がほとんどなのです。

ただ、2年前の売上が 5,000万円を超える人はそもそも原則課税しか選択できませんし、5,000万円以下でも費用が大きい人は原則課税を選択するでしょう。

原則課税、簡易課税選択

原則課税の場合は、支払った費用がそのまま支払う消費税に影響してきます。記事の執筆依頼の費用を外注費として処理できた方が得になるわけなのですね。

ですのでブロガーで以下に当てはまる人は、記事の執筆依頼の費用を「外注費」として処理するのが妥当かどうか? 本当は「給与」とすべきものではないのか? という点を特に厳しく見られると考えていいでしょう。

・2年前の売上が 5,000万円を超える人
・2年前の売上が 1,000万円超  5,000万円以下であえて原則課税を選択している人

(上記に当てはまらなければいい加減に処理していいものでもありませんが。)

アフィリエイト収入でここまで稼ぐ人は本当にすごいですよね。

2、ブロガーの記事執筆の費用を外注費として処理する際に気をつけるべき点

さて、ブログ記事執筆を個人(会社ではない)に外注する場合、基本的には「外注費」として処理して問題ないと考えます。

もちろん、外注費としての実態を備えていればです。

外注費としての実態を備えているかどうかは、以下の点を考慮して判断されます。

※ただ、残念ながら確実な基準ではありません。

契約書の有無

契約書が無ければ絶対に外注費として認められないというわけではありませんが、あった方が望ましいです。

失敗した時の責任

依頼された業務に失敗した場合の責任は、依頼を受けた方が持ちます。

余計に費用がかかる場合の負担などのことですね。

この負担を依頼した方が持ってしまうと給与とみなされてしまう可能性が高いでしょう。

建設業だと例えば加工に失敗して材料費が余計にかかったりすることがありますが

ブログ記事の場合は、業務委託のアウトプットは記事なので、このような失敗は無いと思います。

道具などの支給

依頼された業務を行うために必要な道具は、依頼を受けた方が用意しなければなりません。

ブログ記事の場合、必要なものは PC ぐらいでしょうか。

PC を依頼した方が支給していると給与とみなされてしまう可能性が高いでしょう。

でも、これも普通は自分の PC を使いますよね。

指揮命令を受けるか否か

外注に業務委託する場合には、求めていいのはアウトプットだけです。

アウトラインを決めて「こういうテーマで記事を書いてほしい」と依頼することになるでしょう。

その際に雇用主が従業員に対して行うような事細かな指示を出してはいけません。

ですので例えば、依頼する方が

・PC の前で横につきながら「こう書くように!」と逐一指示をする

・電話、チャットで逐一やりとりをしながら指示して記事を書かせる

ということをやると給与とみなされる可能性が高いでしょう。

従業員に対する指示と似ているからです。

出てきたアウトプットをチェックして、場合によっては書き直してもらうのはありだと思います。

病気で働けないときに替えがきくか否か

外注というのは替えがきく存在でなければなりません。

別の人に頼んでもアウトプットは変わらないという状態である必要があるということです。

例えば、ブロガーで常に記事を外注している人がいたとします。

そして、外注先の人が病気で働けなくなったときにブログの運営が完全に滞ってしまったりすると

その外注先の人は替えがきかない従業員のような存在とみなされてしまう可能性が高いでしょう。

3、まとめ

外注費か給与か? というのは判断基準がグレイな部分もあり一概には言えないのがつらいところです。

従業員に対して行うようなことは外注先の人にはできませんので注意しましょう。

どんな場合でもしっかり処理することは大事ですが、

特に消費税を支払う義務がある人で計算方法が原則課税の場合は厳しく見られる点です。

編集後記

昨日(9/14)は16時過ぎに iPhoneXS を予約。iPhone6S からようやくスマホ変更です。同時にすっかり出遅れた(汗) SIM フリー対応も行います。

9/15、16 は天気が悪く息子の小学校の運動会が2日連続で延期、結局 19(水)になりました。平日なので私は行けません。

また、16(日)の午後は地域のあるイベントに出席、ファシリテーターを務めさせて頂きました。いい話がたくさん聞けて勉強になりました!