静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!
社会保険(厚生年金保険と健康保険)ってよく聞くと思います。
ざっくり言えば、
厚生年金保険は若いうちに保険料を支払っておいて、老後に年金を貰う仕組みで
健康保険は怪我や病気で病院にかかったときに、医療費の大部分を国に負担してもらう仕組み
のことです。
社会保険は税金ではないので、我々税理士の専門分野ではないのですが、実務上はよく質問を受けるところです。
今日は、
社会保険料がどうやって決まるのか?
ざっくりと、お話ししたいと思います。
1、社会保険料(厚生年金保険料・健康保険料)はどのような算出方法で決定するのか?
社会保険への加入
社会保険への加入は、事業所が行います。
個人事業主であれば、従業員が5人以上(事業主本人は除く)の場合は加入しなければなりません。
ただ、士業などの一部の業種は、従業員が5人以上でも加入しなくても良いことになっています。
法人の場合は、従業員が何人でも必ず加入しなければなりません。
社長1人だけの場合もです。
社会保険は過去、加入の義務があっても入っていなかった事業所が多かったようです。
社会保険料の支払いがけっこうの負担になるからです。
ただ、近年は社会保険への加入義務がとても厳しくみられるようになりました。
(義務があるのに加入していないと督促を受けます。)
社会保険料の支払い
社会保険料の負担は、会社と従業員で折半します。
そして、毎月会社が支払います。
従業員の負担分は月々の給料から天引きされます。
社会保険料の計算
さて、社会保険料はどのように決まるのか?
ざっくりと整理しておきたいと思います。
社会保険料は従業員一人一人につき、支払う金額が異なります。
厚生年金保険料、健康保険料それぞれ以下のように計算します。
厚生年金保険料 = 標準報酬月額 × 厚生年金保険料率
健康保険料 = 標準報酬月額 × 健康保険料率
標準報酬月額とは、給料の平均値みたいなものです。
標準報酬月額
標準報酬月額は従業員一人一人につき、年に一回4月、5月、6月の給料を平均して計算します。
そして、9月から向こう一年間その金額を使います。
給料が高い人ほど、大きくなります。
健康保険料率・厚生年金保険料率
健康保険料率・厚生年金保険料率はそれぞれ年に一回改定され、向こう1年間は同じ料率を使います。
●健康保険料率は3月
●厚生年金保険料率は9月
健康保険料率は県によって若干異なります。
静岡県は年々少しずつ上がっています。
厚生年金保険料率は全国一律で、ここ数年高止まりの状態です。
実務的には健康保険料・厚生年金保険料の負担額は、料率が変わる毎に更新される以下のような表から読み取って判断することになります。
(ソフトが計算してくれることも多いですが。)
改定時期
同じ標準報酬月額、料率を使う期間を表すと次のようになります。
標準報酬月額と料率のどちらが変わっても、社会保険料は変わります。
両者の掛け算で決まるからです。
社会保険料は3月と9月に変わると覚えておいていいでしょう。
2、社会保険に加入することによる負担
さて、社会保険に加入した事業者(法人・個人事業主)は、それなりの負担をすることになります。
厚生年金保険料と健康保険料あわせて、だいたい給料額面の30%ぐらいになります。
事業者と従業員が折半するので、事業者の負担はその半分の15%ぐらい。
事業者は給料と合わせてだいたい給料額面の 1.15倍の負担をすることになると覚えておきましょう。
事業を法人で始めようとしている方や、法人成りをするか迷っている個人事業主の方は、
社会保険料の負担を忘れないようにしましょう。
先にお話ししましたように、法人は必ず社会保険に加入しなければなりませんので。
3、まとめ
社会保険(厚生年金保険と健康保険)がどのように決まるか? 説明しました。
事業者にとって、負担はけっこう大きいです。
編集後記
昨日(10/3)は、顧問先のネットバンキング契約の関係で銀行を何社が訪問しました。
業務改善に取り組んでいきます。