物事をきっちり理解することは大事だと思います。特に仕事においては。
ではどういう状態なら理解できていると言えるのか?
私はそれを社会人になってから最初の上司に教えられました。
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1、人に噛み砕いた説明ができること
社会人1年目にエンジニアとして部署に配属され、当時40歳前後の上司の下につきました。
いわゆる OJT される立場です。
カーエアコン関係の開発部署だったのですが、最初はその関連の資料を読まされました。
数日経ってから上司に呼ばれ、「この資料の内容を説明してみろ」と言われました。
私がちゃんと内容を理解しているか試してるんですね。
グラフや数式が書かれた資料でしたが、自分としては内容を理解できていたつもりでした。
何とか説明しようとする私。
しかし、途中で言葉に詰まります。
私「・・・・・」
上司「どうした、説明してみろ」
私「あ、いや、、、頭の中では分かってるんですど噛み砕いて説明できないんです。」
上司「ん? かみ砕いて説明できないってことは分かってないっていうことだぞ!」
私「いえ、頭の中では分かってるんです。」
上司「分かってねぇ」
って、まぁこんな感じのやり取りをしました。
自分なりに伝わるような説明をしようとしましたが、結局言葉にできない部分がありました。
頭の中では分かっているって言っても、分かっていることを口で説明できないのだからそりゃ伝わりません。
そして、そうなってしまう理由は「ちゃんと理解できていないから」に他ならないのだと教えられたのでした。
2、全体が分かっていないと噛み砕いた説明はできない
さて、社会人になってすぐの経験だったということもあり、上記の上司とのやり取りは私の中に深く刻まれることになったのでした。
「理解しているということ = かみ砕いた説明ができること」
逆に言えば、かみ砕いた説明ができないと理解しているとは言えないということです。
自分が人に何かを説明しているときに、難しい言葉でごまかしたくなることがありますが、それは自分の理解があいまいだからでしょう。
かみ砕いて簡単にシンプルに説明できるようになるためには、その分野のことに関して全体的な理解をしている必要があります。
全体を理解していれば、その中でどこが大事な部分か強弱が付けれるからです。
自分も人から説明を受けていて、全体を理解している人の話は分かりやすいって感じることはよくあります。
話しがシンプルで、しかも強弱が付いているからです。
3、人に説明できるかどうかで自分の理解を試した経験
税士試験勉強中に活用した TAC の質問電話サービス
税理士試験の勉強をしているときは、Web受講だったので受験仲間はいませんでした。
仲間がいれば、自分の理解を確かめ合うことができると思いますが、Web 受講は孤独です。
TACでは質問電話という、講師に電話で質問できるサービスがあり、私はこれを利用していました。
単純に、分からない部分を教えてもらうことはもとより「自分の理解が正しいか説明を聞いてもらうため」にも利用していました。
「これは、これこれこういう理解で正しいですか?」ってできる限りかみ砕いた説明をしてみて、講師に「それで合っています」って言って頂けたら、自分の理解はちゃんと理解しているんだって認識できました。
ブログ
ブログの記事は、自分の備忘録として書いている記事と他の人向けに書いている記事がありますが、他の人向けに書く記事はできる限りかみ砕いて書いているつもりです。
そういう記事に対して「よく分かりました!」みたいな反応をして頂けたときには、自分の説明の仕方は正しかったんだ! って喜びを感じます。
4、まとめ
かみ砕いた説明ができるようになるために、きっちりと理解すること。
10年以上も前に上司に言われたことですが、今でも自分の一つの指針になっています。
今後も変わらず指針になることでしょう。
自分の理解をごまかさないためにも、分かった気にならないためにも必要なことだと思います。
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