2/10(金)~12(日)にかけて、就学中の東亜大学大学院 法学専攻の公聴会がありました。
公聴会というのは、修士論文(税法2科目免除のための税法論文)の発表会のことを言い、最終審査を兼ねています。
この最終審査を無事パスすることができたので、今後は国税庁に論文を提出して、審査を受けることになります。
卒業式の日に必要な書類をまとめて国税庁に郵送する予定です。
あとは当大学院の免除実績を信じたて待ちたいと思います。
さて、今日は大学院での税法2科目免除について書きたいと思います。
1、大学院で税法免除を受けるに至った経緯、院免に対する考え
私が、大学院で税法2科目の免除を受けようとはっきり決めたのは、2013年の4月のことでした。
2013年1月に日商簿記1級の合格発表があった後で、簿記論の勉強をしていた頃なので、税理士試験の初受験前になります。これから直前期に入ろうとしている時期でした。
その時のプランは
・2013年 簿記論 合格
・2014年 財務諸表論、国税徴収法 合格
・2015年 大学院入学
と考えていました。
実際には、この年(2013年)に簿記論に落ちてしまい
・2013年 簿記論 不合格
・2014年 簿記論、財務諸表論 合格
・2015年 大学院入学、 国税徴収法 合格
となったので、完全にプラン通りにはいなかなったです。
国税徴収法1科目を残した状態で2015年4月に大学院に入学しました。
確実性が高いルートを選びたかった
税理士試験は、官報合格(5科目全てに合格すること)しなければ意味がないと考える方も多いと思います。
その考えも正しいと思います。
私は、簿記1級の勉強をしているときに、既に難関資格に合格することがどれだけ難しいか肌で感じていました。
前段である簿記1級も、合否には少なからず運が関わることがよく分かりました。
税理士試験はなおさらそうだろう、と受験前から感じていました。
どれだけ勉強しても、どれだけ予備校の成績が良くても、試験当日の状態次第では努力が報われない可能性がある資格試験、、、まぁ国家資格というのは全てそういうものなのかもしれません。
勉強に自信が無いということは全くありませんでしたが、運やその場のコンディションも影響するので確実性の面でどうかな?と感じました。
あと年齢もあります。
税理士になると決めたのが30代半ばだったので、スタートが遅い方だと思います。リスクは最小限に抑えたかったです。
上記から、大学院での免除の方が確実性が高いと考えたのが理由の1つです。
それを逃げというんだ!! って考える方もいるかもしれません(苦笑)
そう思われたらそう思われたで、仕方がないことだと思っています。
実務の能力は実務の中でしか身につかないと感じていた
エンジニア時代に会社の中で製図検定という試験を受けました。
CADで図面を描く試験です。
数か月間、必死になって図面を描く練習をして合格することができました!
これで、実務でもCADが使いこなせるようになるだろう! と考えていたのですが、実際にはそう上手くは行きません。
試験対策のために身に付けたスキルや知識は、必ずしも実務には直結しないのです。
結局実務に必要なスキルや知識は、実務の中で身に付けるしかありませんでした。
これは会計業界にも当てはまることだと思います。
簿記1級や税理士試験に合格しても、それによって実務能力が高まったと実感はできません。
試験は机上での勉強ですが、実務は頭と体両方を使って覚えなければならないものなので、やはり違います。
実務は実務
資格取得は資格取得
それぞれ別物だと考えていた(今でもそう)ので、資格取得は資格取得で確実性が高いルートを選択しようという考えです。
周囲に与える影響
試験勉強に熱中していると、どうしてもピリピリしてしまう自分がいました。
・隙あらばテキスト、理論マスターを見る
・勉強時間をストップウォッチで測定して記録する
といったことをやって自分を追い込んでいましたので。
試験勉強は、猛烈に反復をしなければならないので、自分の場合はどうしても自分を追い込んだ結果ピリピリしてしまいます。
元々工学部の大学院を卒業しているので分かっていたのですが、修士論文も決して楽だとは考えていませんでした(実際にかなり大変でした)。
しかし、論文の作成は試験と比べれば、まだ努力を形として積み上げることができます。
一発勝負とは違います。
家族をはじめ周囲に与える影響を考えれば、精神的にもう少し余裕を持ちたかったです。
2、東亜大学大学院 法学専攻
もうすぐ卒業ですが、現在就学しているのは東亜大学大学院 法学専攻です。
私が知る限り、税法2科目免除に対応している唯一の通信制大学院です。
通信制ということで、時間がない社会人には人気があり大学院の中では入試の倍率が高い方だと思います。
私が住んでいるところは、周囲に税法免除に対応した大学院がなく、通うとなれば東京まで行かなければなりませんでした。
ですので、通信制というのは大変な魅力で最初からここを受験しようと決めていました。
一応、大学院の入試の時期が近付いてきた頃に他の大学院も調べて検討してみました。
社会人用のコースがあるところでも、ほとんどのところは平日の夕方に講義がありました。
一つ名古屋商科大学の大学院は社会人コースは平日に講義はなく、土日のみに講義が開講されているようでした。
講義もビジネス視点の内容が多く、また、ディスカッション形式ということでしたので魅力を感じていたのですが、それでも週末は通わなければなりません。
やはり、時間とコスト面を考えて
・第1希望 東亜大学大学院
・第2希望 名古屋商科大学大学院
この順番で、入学を検討していました。
東亜大学の方が入試が先でしたので、不合格だった場合名古屋商科大学を受験しようと考えておりました。
無事に第1希望の東亜大学大学院に合格できたので良かったです!
3、大学院での学び
東亜大学大学院 法学専攻は、
・1年次は講義中心
・2年次は修士論文の作成
です。
1年次の講義は、全て動画配信で受講し最後の方でレポート課題が出ます。
レポート課題に通れば単位が貰えます。
1年次、2年次とも年に2回(6月と11月)東京で合同スクーリングが行われ、泊り(1年次は2泊3日、2年次は1泊2日)で講義・修論指導を受けます。
それ以外にも2年次には、ゼミ毎に個別のスクーリングが年に数回行われます。
普段は教授にもゼミの仲間にも会えないので、このスクーリングはとても貴重な時間でした。
(修論作成に当たって、教授との日頃のやり取りはメールかお手紙になります。ゼミ仲間とはLineのグループを作って情報交換をしていました。)
教授陣は各分野で名が知れた方々が揃っております。
修士論文の作成に当たって、租税法に幅広く触れることができました。法律論がどういうものか?何のためにあるのか分かるようになりました。
時間をかけて多くの論文・裁判例を読み漁り、自分の見解を加えていく修士論文の作成はかなり大変でした(汗)
しかし、修論を作り上げる過程は楽しく自分には合っていました。
大げさかもしれませんが、修論は世界でたった1つの自分のオリジナル作品です。
考える力が身に付き、また、文章を書くのが楽しくなったのも大きな収穫でした。
また、指導して頂いた教授をはじめ、大手税理士法人、会社の経理職、公務員と様々な業種の方々とも繋がることができて良かったです!
大変な刺激を頂けました。
4、まとめ
「大学院での税法2科目免除についての自分の考え」を動画でもお話しさせて頂きました▼
よろしければどうぞ。
まだ社会経験を積む前に、学生時代から試験勉強をはじめていたら、5科目合格にこだわったのかもしれません。
自分としては、先にも書いたように税理士として活躍することが資格取得の目的だったので、税理士になるのは通過点だと思っています。
実務は実務でこれからもっともっと経験を積んでスキルアップしなければなりません。
一方で資格取得は資格取得で、できるだけ早く終わらせる方法を考えようと思っておりました。
税理士試験は、働きながら3年で3科目合格したのだから、このまま続けていれば5年で5科目合格いけたのか??
いやいや、そんなに甘くないかもしません。
10年で5科目合格だったかもしれませんし、もっとつまずいて20年で5科目合格だったかもしれません。あるいは途中で挫折していたかも分かりません。
どうなっていたかは、もう分かりませんし考えても仕方のないことです。
自分は最初から大学院で税法2科目免除する道を選んだんだし、それで正解だったと思っています!
考え方は人それぞれで、賛否両論あると思いますが、最終的に自分が納得できる選択ができることが大切だと思っています。
●大学院1年次についての記事はこちらです↓
●大学院2年次についての記事はこちらです↓