静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!
個人事業主は、事業と私生活が隣り合わせです。
必要経費になるもの、家計費となるべきものをしっかりと切り分ける必要があります。
今日は、個人事業主が家族に対して支払った家賃が必要経費になるか?
という内容をお話しします。
家族というのは、同一生計(一緒に住んでいる)の前提としますね。
また、法人(会社)の場合との違いについてもお話ししますね。
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個人事業主が家族に支払った家賃は必要経費になるか?
結論から言うと、個人事業主が家族に支払った家賃は、必要経費にはなりません。
実例をあげながら説明しますね。
子(個人事業主)が父親名義の家屋で事業を行っている場合
さて、個人事業主が同一生計である父親の名義の家屋で事業を行っている場合を考えてみましょう。
父親が、家屋についての固定資産税や火災保険料を支払っているものとします。
父親に対して家賃として月30,000円支払っていた場合、この金額は必要経費にはならず家計費となります。
父親の方も貰った家賃は収入とはなりません。
個人事業主と同一生計の家族は一体とみなされるので、父親が家屋について支払っている固定資産税や火災保険料、そして家の減価償却費などは個人事業主の必要経費となるのです。
子(個人事業主)が父親が家賃を支払う賃貸物件で事業を行っている場合
他にも例えば、個人事業主が父親が家賃を支払う賃貸物件で事業を行っている場合を考えてみます。
父親が物件の家賃として毎月 80,000円を支払っているものとします。
この場合に、事業主が父親に家賃として月100,000円を支払っていた場合、この金額は必要経費にはならず家計費となります。
先と同じで、父親が支払っている家賃 80,000円が個人事業主の必要経費となるのです。
家族への支払いで必要経費になる専従者給与
同一生計の家族への支払いで必要経費になるのは、専従者給与のみです。
青色申告をしている個人事業主の場合、以下に当てはまる人を青色専従者とすることができます。
ロ、その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
ハ、その年を通じて6月を超える期間(一定の場合には事業に従事することができる期間の2分の1を超える期間)、その青色申告者の営む事業に専ら従事していること。
また、上記を満たす青色専従者にしたい家族がいる場合、期限までに届出書を所轄の税務署に提出する必要があります。
青色専従者については、こちらの記事↓ に詳しく書いておりますので参考にして下さい。
法人が個人(社長など)に対して支払った家賃の取扱い
さて、法人が社長など個人に対して支払う家賃の取扱いはどうなるか、ということもお話ししておきますね。
法人が、社長の父親名義の家屋で事業を行っている場合を考えてみましょう。
法人が、家賃として毎月 80,000円を社長の父親に支払っているものとします。
この場合、この家賃は法人にとって費用となります。
法人には個人事業主のような家計費という概念はありません。
一族経営の法人だろうと、法人が個人に対して家賃を支払えば、それは費用になるのです。
家賃を受け取った社長の父親は、場合によっては確定申告をする必要があります。
そのことを忘れないようにしましょう!
どのような場合に確定申告が必要かは、こちらに載っております。
確定申告において、父親が家屋について支払っている固定資産税や、火災保険料は父親の不動産所得を計算する上での必要経費となります。
まとめ
個人事業主が、家族に対して家賃を支払っても必要経費にはなりません。
個人事業主と家族は一体として考えるので、家族が事業に関する支払いをした場合も個人事業主の経費になることを忘れないようにしましょう!
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編集後記
久々のブログ更新です。
先週末、今週末と所属する三島商工会議所青年部のイベントがあります!