静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!
私が税理士になる過程は、大学院での税法免除が前提だったので、税理士試験の税法は1科目(国税徴収法)しか受験していません。
税法2科目免除を考えている方は、免除したらどうやって知識を補うのか? 気になると思います。
この記事では、私自身が、税理士試験で勉強していない税法の知識をどうやって補なっているか? 書いてみたいと思います。
税理士試験で勉強していない税法の知識をどうやって補なっているか
自分が実務で多く使う税法は、法人税法、所得税法、消費税法です。
相続税法はたまに。
私は、これらの税法を税理士試験で受験していない状態で実務をやっているわけです。
以下のようなことをして勉強してきました。
実務は形から入る
基本やっぱり実務が大事だと思っています。
最初は何も分からないので、申告書に言われた通りに数字を入れるだけでした。
それに慣れたら、申告書の各箇所それぞれどういう意味があるのか? 少しずつ教えてもらったり、自分で調べたりして行きました。
例えば以下のようなことです。
・法人税法の各別表の繋がり
・所得税法の各種所得、各所得控除・税額控除の意味
・消費税法の原則課税・簡易課税それぞれの場合の記載の仕方の違い
申告書の各箇所の意味を理解することは大事です。
各税法とも基本的な計算過程を勉強する
各税法とも、ベースとなる計算過程をしっかり勉強しました。
例えば、所得税法ならば以下の流れがベースになります。
*事業所得の場合
法人税法、消費税法、そして相続税法すべてにおいてベースとなる計算過程があります。
それらを何回も見直すようにしました。
実務で分からないことが出てきたら調べまくる
実務で疑問に思うことが出てきたら、調べまくるようにしました(今でもそうです)。
分からないことを調べていて税理士のブログに行き着く ⇒ ベースとなっている法令・通達を知る ⇒ 法令・通達をよく読む
という流れになることが多いです。
国税庁のタックスアンサーもよく見ます。一番よく見るサイトですね。
実務上どように判断すれば良いか? ということがよく分かるからです。
勉強した内容をまとめる
勉強した内容を整理したいときは、Evernoteやパワーポイント、Excel に簡易的にまとめます。
例えば、これ↓ は一番最初に退職所得を自分で勉強した際に、パワーポイントに整理した資料の一部です。
整理する過程でしっかり理解しようとするし、後で忘れてしまってもまた引っ張り出すことができます。
ブログ記事にすることで体系化する
ブログ記事にすることによって、体系的に理解するというのもあります。
自分の場合、ある意味ブログを備忘録のように使ったりもしています。
例えば、以下の記事は2019年5月にはじめて、新しい「所得拡大促進税制」の適用を検討したときに、勉強してまとめたものです。
自分がしっかり理解していないと文章にできないので、ブログ記事化することは自分の理解度を知る上でも有用だと思っています。
一度記事にすれば、頭に染みつきやすいですし、後で忘れても引っ張り出すことで思い出すことができます。
大学院の修士論文の執筆過程での学び
大学院の修士論文の執筆過程でも、所得税法のことをけっこう勉強できました。
修士論文に直接役に立たなかった文献でも、読むことによって自分の知識が増えたと思います。
国内源泉所得や国外源泉所得のことは、文献調査の過程で初めて勉強したところです。
TAC の実務講座を受ける
法人税法は別表の繋がりがなかなか理解できなかったので、TAC の実務講座を受講しました。
申告書の書き方だけでなく、交際費の損金算入限度や保険料の処理といった大きな論点を一通り学べて良かったです。
Excel で税金計算を自分で行う
各税法の計算式って結構複雑で、普段は税務ソフトでやってしまうのですが、自分でオリジナルの Excel シートを作って計算すると計算式をしっかり復習できます。
どういう流れで計算しているか? 仕組みを確認できて理解が深まります。
例えば、消費税の原則課税・簡易課税の有利不利判定をするマウロ(VBA)を作ることで、計算方法をもう一回学ぶことができました。
まとめ
税理士試験で勉強しなかった税法をどのように勉強したか? 書いてみました。
それで何とかなっていると言えば何とかなっているし、まだまだ勉強不足と言えばその通りでもあります。
ただ、実感としてはいつまでも知識が完璧になることはなく、一生勉強は必要だと思っています。
税法は毎年改正されるので、常に知識のアップデートは必要でしょう!
編集後記
昨日(11/7)は午前中、税務署で今年講師をやらせて頂く白色申告説明会の打合せがありました。
説明会の目的の他、どういう内容を説明すべきか、すり合わせました。
2時間の説明会なので、資料も多くなりそうです。
12月は租税教室もやりますし、話す機会が多いです。