論文には論点が無ければなりません。
論点とは「論じるべき点」のことを言います。
論点が無い論文は論文とは言えません。何も論じてないことになってしまうからです。
今日は、修士論文(税法論文)のテーマ選びにも関わってくる「論点」について、自分なりにお話ししたいと思います。
あくまで、税法2科目免除のために大学院に進学し修士の立場で論文を書いた経験に基づいたものであることご了承下さい。
また、やや抽象的な内容になってしまうこともご理解下さい。
1、自分の問題意識が論点になるとは限らない
修士論文のテーマを決めるに当たり、そのテーマの論点が何か明確になってなければなりません。
テーマを決めるに当たっては、とにかく論点を意識することが大切です。
さて、では論点とは具体的には何か?ということですが、
他の方が書いた法律論文を読むと必ず自分の考えが書いてあります。
その自分の考えが、何について書かれているか読み取ると、何かしらの「問題意識」が浮かび上がってきます。
法律的に解決しなければならない「問題意識」こそが論点と言えるでしょう。
ただ、修士論文を作成するに当たっては、この「問題意識」が自分1人だけのものではいけません。
厳密に言えば、学問的に実績が無い修士の立場では、自分1人だけが「問題意識」を持ったとしても、それについて論じることは相当に難しいということです。
自分1人だけの「問題意識」で論文を書いて認められるのは学問的実績がある人だけでしょう。
2、自分で論点を作り出すことはほぼ不可能、既に存在する論点を探し出す
例えば、日常の実務の中で感じていた疑問を元に、「問題意識」を持ちそれを論点にしようとすると、独りよがりになってしまう可能性が高いです。
必ずそのことについて論じている学説や判例が存在していなければなりません。
もし、学説や判例が無ければ、単なる自分1人の疑問に対して自問自答することになってしまいます。
自分で問題意識を持つことは意識が高く凄いことだと思いますが、修士論文の作成に当たっては論点を自分で作り出すことはほぼ不可能だと思います。
あくまで私の考えになりますが、既に存在する論点を探し出してそれをもとに、自分なりの考察をするスタイルの方が良いでしょう。
3、解釈論と立法論
論点が明確になったら、その論点に対する結論を決めなければなりません。
論文を書き始める前に結論を決めてしまった方が、ゴールが決まっているので書き始めてから方向性がズレにくいです。
その結論について
・論点が解釈によってのみで解決しているものが「解釈論」
・論点が解釈によってのみでは解決せずに、立法的な提案があるものが「立法論」
ということになります。
「立法論」には立法的な提案の前に解釈が必要です。
論点によっては必ず立法的な提案に向かわざるを得ないものもあります。
4、まとめ
さて、論点とは何か?ということについて自分なりの説明をさせて頂きました。
どうしても抽象的でふわふわした内容になってしまいました。
まだテーマ選びをする前の方はテーマ選びの時期になってから読み返して頂くと、上で説明した意味がまだ少し分かりやすいかと思います。
また、テーマ選びについて書くときにも、同じ内容に触れることになると思います。