よく聞く話かもしれませんが、税理士試験は長期戦になる場合が多い試験です。
しかし、予備校のパンフレットを見ると2年で5科目合格した人が載ってたりするので、そういった人の合格体験記などを読んでいると短期合格が現実的なことと考えてしまう人が結構いるようです。
かくいう私もその一人なのですが(笑)
私は今現在、税理士試験3科目に合格しており、大学院で税法2科目免除のための修士論文を作成中です。
1、税理士試験 当初の計画と実際の結果
税理士試験に挑戦するに当たり、自分が税理士になれるルートは
①5科目合格(会計2科目、税法3科目)
②3科目合格(会計2科目、税法1科目)+大学院で税法論文を書いて税法2科目を免除
の2パターンのどちらかであることを認識しておりました。
理系出身で税理士試験の受験資格が無かったため、まずは日商簿記1級に合格する必要があり、その勉強中に税理士になるためのルートを①にするか、②にするか固めようと考えておりました。
そして、それぞれのルートごとに次のようなプランをざっくり考えていました(日商簿記1級も含めて)。
会計事務所に転職し、本格的に勉強を開始した時期は平成24年5月でした。
①「5科目合格」のルートで行く場合のプラン
●平成24年11月 日商簿記1級 受験⇒合格
●平成25年8月 簿記論、国税徴収法 受験⇒合格
●平成26年8月 財務諸表論、酒税法 受験⇒合格
●平成27年8月 法人税法 受験⇒合格
②「3科目合格(会計2科目、税法1科目)+大学院で税法論文を書いて税法2科目を免除」のルートで行く場合のプラン
●平成24年11月 日商簿記1級 受験⇒合格
●平成25年8月 簿記論、国税徴収法 受験⇒合格
●平成26年4月 大学院入学
●平成26年8月 財務諸表論 受験⇒合格
●平成28年3月 大学院卒業
そして、まず日商簿記1級には予定通り平成24年11月の受験で合格することができました。
日商簿記1級の合格発表後に税理士になるルートは②のプランで行くことに決定しました。
そして⓶の「プラン」に対して、実際の「結果」は今のところ(平成28年11月現在)下のようになっております。
●平成24年11月 日商簿記1級 受験⇒合格
●平成25年8月 簿記論 受験⇒不合格
●平成26年8月 簿記論、財務諸表論 受験⇒合格
●平成27年4月 大学院入学
●平成27年8月 国税徴収法 受験⇒合格
●(平成29年3月 大学院卒業)
最後の大学院卒業のところは、まだ確定ではないので()付けにしました。
もちろん、ちゃんも卒業するつもりで頑張っていますが!
税理士試験(大学院を除く)に関して、当初のプラン②と実際の結果の違いは下のようになっております。
平成25年以降は、試験科目の受験時期も合否も当初のプラン②とは全く異なるものとなってしまいました。
2、プラン通りにいかなかったときは、プランを練り直して全力でそれに向かうしかない
税理士試験1年目(平成25年、第63回)
平成24年11月に日商簿記1級受験後に簿記論と国税徴収法の勉強に本格的に着手しました。
講義自体は、TacのWeb講座で簿記論は平成24年5月から完全合格コースを、国税徴収法は9月から初学者コースを受講していました。
しかし、11月の日商簿記1級の受験が終わるまでは、税理士試験の方には十分な時間が取れない状態だったので、講義の遅れを取り戻すだけで精一杯でした。
平成25年8月の2科目受験は無理があったようで、共倒れを防ぐため平成25年3月に国税徴収法を切り捨て、簿記論1科目の受験で行くことにしました。
簿記論だけは必ず受かってやる!と思い猛追をし、模試の結果もそこそこ良くなりました(全国公開模試はA判定)。
本試験もボーダーラインを上回った(+3点)ため合格するつもりでいたのですが、12月に出た結果は敢え無く「不合格」。。。
詳しくは、また後で書こうと思いますが、税理士試験の洗礼を受けたような気分でした。
この時点で、当初のプランでは2科目合格しているはずが、実際には合格科目無し。。
税理士試験2年目(平成26年、第64回)
プランの練り直しをし、平成26年8月の受験は簿記論、財務諸表論の2科目受験で行くことにしました。
簿記論は平成25年8月の受験後勉強してませんでしたが平成26年1月から上級者コースを受講開始し、財務諸表論は平成25年9月から初学者コースを受講しており年明けから上級者コースに切り替わりました(平成25年9月から国税徴収法も前年のテキストを使い独学していたのですが、これは簿記論の不合格が確定した時点で中止)。
背水の陣で猛勉強し、全国公開模試の結果は簿記論がA判定、財務諸表論がS判定(A判定より上)でした。
本試験の結果は簿記論が合格確実点越え、財務諸表論がボーダーライン+3点。
簿記論はこれで不合格だったらこれ以上何もやりようがないくらいの感覚でした。
財務諸表論は前年簿記論がボーダーライン+α で不合格だった経験があるため不安だったのですが、12月には何とか2科目合格することができました。
税理士試験3年目(平成27年、第65回)
その後は、平成27年4月に大学院に入学しました。
平成27年8月の税理士試験は国税徴収法1科目の受験で行くことにしました。
国税徴収法を選んだ理由は前年以前にも勉強をしていたので、若干のアドバンテージはあると思ったからです。
これも、後に詳しく書こうと思いますが、大学院の講義との両立や理論暗記の完璧さが求められる国税徴収法という科目の特性もあって、正直簿財2科目同時に勉強しているときよりもしんどい印象でした。
必死に勉強して、全国公開模試はS判定。
本試験はボーダーライン+1点くらいでしたが、12月には何とか合格することができました。
平成25年の受験後は、大きくプランが乱れましたが、簿記論の不合格後にプランを練り直してからは、何とか修正したプラン通りの結果を出すことができました。
3、それでも短期合格を目指すことは間違ってはいないと思う
冒頭で2年で5科目合格する人もいることを書きましたが、改めて考えると本当に凄いと思います!
自分は早々に大学院に進むプランを選んだわけでそもそも5科目受験してないし、働きながらの受験だったのでやはり専念する人と比べたら不利だとか、、色々と違いはあるかもしれませんが、いずれにせよ自分にはできなかったわけですから。
そして、平成29年3月に順調に大学院を卒業できたとしても、当初のプラン②と比べ1年遅れです。
日商簿記1級も合わせてトータルで約5年かかることになります。
プラン(ラッキースケジュール)通りにいかなかったときは、やっぱり甘かったなぁと痛感します。
でも、短期合格を目指すことは間違ってはないと思います。
自分の力を過信するのは良くないけど、まずは自分の望むプランを立てて、ダメだったらまた立て直す。
プランを立てずに「いつか合格してやる」とか「落ちても次がある」とか言ってると、多分いつまで経っても合格できないと思います。
2年で5科目合格した人も、きっと最短のプランを立てそれに向かい猛烈な努力をした人だと思うので。
「その都度ゴールを定め、それに向かって全力の努力を継続する」
私は税理士試験は3科目合格したに過ぎないので、決して偉そうなことは言えません。
しかし、この試験に合格するためには結局それしかないと思っています。
異業種から税理士を目指す人へ
さて、私は前職は大企業のエンジニアでした。
税理士というまったく違う分野へ挑戦をして、資格取得を果たし現在に至るわけです。
当時の自分と同じように、異業種から転職して税理士を目指す人に向けてのメッセージを動画でお話ししておりますので、よろしければ参考にして下さい!
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