修士論文(税法論文)作成のためには、たくさんの文献を集めて読まなければなりません。
文献収集はテーマ選びの段階からやらなければなりません。
今日は、集めるべき文献についてお話ししたいと思います。
1、テーマ選びの段階で基本論文を起点に集める
まず、テーマを選ぶに当たり文献を集めることになります。
いくつか気になる論点が見つかり、テーマ候補として出てくると思います。
いずれのテーマに関しても、まず「論点について直接的に書いた」基本論文を見つけて読みます。
そして、その論点をテーマにするか否か決めます。
そして、テーマを決めたら基本論文の中で引用・参照している文献で重要と思われるものを中心に集めます。
(最終的には引用・参照しているもの殆ど全てを集めることになりますが、まずは重要と思われるものを中心に集めます。)
学説、判例問わず単行本、雑誌などから集めるようにしましょう。
そして、集めた文献を読み漁り、また「直接的にその論点について書いた文献」があればそれを基本論文と考えて、その基本論文で引用・参照している文献のうち重要と思われるものを中心に集めていきます。
他に、集めるべき文献としては自分のテーマについて「租税法」の中で引用・参照している文献です。
「租税法」は税法について網羅的に書かれており、そこで引用・参照している文献は信頼度が高いです。
判例については第一法規(D1-law)で検索すれば他の関連する判例が分かります。またどの雑誌に掲載されているか(民集など)も調べることができます。
こうして、集めた文献は基本論文を中心に、読み漁りましょう。
基本論文は自分の論文構成のベースになるので、とても大事です。
テーマを決めたら、結論(ゴール)と流れ(ストーリー)を仮決定するためにまずは、そのテーマについてじっくり勉強が必要です。
じっくり勉強した結果成立しないことが分かることもあり得ます。。
集めた全ての文献が役に立つとは限りません。
自分の論文にとっては、全く役に立たないものもたくさんあります。
結果的には必要無かったという文献も多いかもしれませんが、それでも無駄を覚悟で集めて読むようにしましょう。
テーマ選びの期間は、勉強する期間でもあります。
私は元々法律論は全くの素人だったので、この期間に論文をたくさん読んでとても勉強にたりました。
論文構成や文章の書き方など、他の人が多書いた論文を読むと色んなことが吸収できます。
2、執筆が始まってからも必要に応じて集める
テーマ案を提出するまでの間に、重要な文献は集め終わっていることが望ましいです。
また、先に書いた通りテーマ選びの段階でただ文献を集めるだけではなく、読んで勉強しなければなりません。
そして、結論(ゴール)と流れ(ストーリー)を仮決定して何度か指導を受けた後、執筆し始めます。
執筆し始めてからは必要に応じて
・基本論文からの引用、参照でまだ集めていなかった文献を集めて読む
・さらに引用、参照を辿り新しい文献を集めて読む
・テーマ選びの段階で読んだ文献を再度熟読する
必要があります。
私の場合は、執筆し出してからの文献調査は、自分の考えの後押しとなるような論文・判例を探すことが多かったです。
「自分はこう言いたいけどその根拠となるような文献は無いかなぁ」という感じで、まず主張したいことがあって、そう主張できるような根拠を探すというやり方です。
3、まとめ
今日は修論作成に当たり、集めるべき文献について説明しました。
先人の考えを整理して、自分の考えを作り上げていくことになりますので、文献収集は大事です。
テーマ選びの段階では、とにかく多くの論文・判例を読まなければなりません。
執筆が始まってからも大事な文献は何回も読まなければなりません。
私の場合、文献によっては4、5回は読んだものもあります。
内容が難しくなかなか理解できないものもありますが、繰り返し読むと読む度に理解が増しますし、新しい気付きもあります。
ずっと理解できなかったことが、すっと頭に入ってきたときはうれしかったです!
集めた文献はおそらく150は超えておりましたが、その全てが役に立ったわけではありません。
それでも集めて読む作業は大事です。