税理士試験に合格できるかどうか、結局最後は運ゲー
みたいなことをよく聞きます。
改めてその意味について考えてみました。
*↑名古屋「大須観音」の巨大まねきねこ
1、税理士試験に合格するために必要な運の意味
合格するために運が必要といっても、宝くじに当たるような運とは違うと思います。
予備校で与えられるテキスト、理論マスターなどを全て勉強し答練でもいい点をとり、十分な実力を身に付けた上での運ということです。
では、どこで運が絡んで来るのか?
個人的な意見としては
「理論問題の意図が分かりにくい場合に、たまたま正解を当てることができた」
ということだと考えています。
予備校の答練では、作問に十分な配慮がされており、意図がわかりにくい問題はあまり出ません。
日頃答練に慣れていると、本試験の理論で意図が分かりにくい問題に出くわしたときに迷います。
迷うケースでも、一番やっかいなのは理論の問題で2、3パターンの解答が考えられる場合に、そのうちのどれかを答えなければならないようなときではないでしょうか。
答えは間違いなく、その2、3パターンのどれかだけど、問題の指示が不十分でどれを書いたら正解なのか、意図が分からないような場合のことです。
受験生は皆同様に迷い、最後は「えいや〜」で答えを書くしかないのですが、たまたま試験委員の意図に合った方を書いた人が正解ということになってしまいます。
それを当てれるか否かまで実力と言われたら苦しくて仕方ありません(><)
2、第65回税理士試験「国税徴収法」で幸運を感じた経験
平成27年に合格した国税徴収法の試験でのことです。
第1問の問1で、「差押財産を例外的な方法により売却できる場合について、簡潔に説明しなさい。」という問題が出ました。
国税徴収法を学習している方なら分かると思うのですが、まず、差押財産を一般的な方法により売却することを「公売」と言います。
例外的な方法による売却とは、「公売」以外の売却になります。
そして、候補となる解答としては以下の4つがありました。
・一括換価
・随意契約
・国による買入
・譲渡担保財産の換価の特例
しかし、その中でどれに関する条文を書けば正解なのか?、問題文の指示が短すぎて分かりませんでした。
一括換価は、その年に新たに加わった論点で予備校の出題予想でも上位だったので、ここを答えるべきなのか?
それとも4つ全てを書くべきか?
解答欄は10行ほど。
迷った末、ぎゅうぎゅう詰めで全て書くことにしました。
予備校の模範解答でも、同様に4つ全てを書いてありました。
さて、試験後の10月になると国税庁のHPで、税理士試験の出題のポイントが掲載されます。
模範解答とは違いますが、出題の意図が書かれているので参考になります。
出題の意図としては、「本問は、この例外的な換価の方法である随意契約による売却ができる場合の正確な理解がポイントとなる。」
つまり、正解は「随意契約」ということです。
他のものについては、一切触れられていませんでした。
他のことも詰め詰めで書いたけど、それでも正解とみなされるのか? それとも余計なこととしてバツにされるのか?
結果発表まで気が気じゃありませんでした(苦笑)
合格していたので、結果的には正解とみなしてもらえていたのだと思います。
しかし、試験委員が意図していること以外のことも書いて正解になるか否かは、試験委員の裁量次第でしょう。
その試験委員は、たまたま正解とみなしてくれる人だったのだと思います。
もしこれをバツにされていたら間違いなく不合格でした。
また、もし一括換価のみを書いていても(そうしようかとも迷った)、間違いなくバツにされてたでしょう。
3、まとめ
こういった意図が分からない問題で不正解だった場合、本当にどうやって自分を納得させれば良いのか難しいところです。
皆同じ問題を解くのだから平等と考えるのか?
運も実力のうちと考えるのか?
何にしても、できるだけ問題の意図を分かりやすく(指示が十分)して頂けることを願うのみですかね。