Excel(エクセル)のグラフは、毎日であれ月々であれ継続的に記録したデータの傾向把握や、数値の大小比較などに便利な機能です。
元となる数値があり、それを見えるようにして分かりやすくするのがグラフです。
データの分析をしたい場合やデータの傾向を他人に伝えたい場合には欠かすことができない機能です。
今日は、代表的なグラフである「散布図」について説明したいと思います。
1、時系列のデータや日々の記録の整理に適したグラフ「散布図」
散布図はデータの数が多い場合に適したグラフです。
よく数学で出てくるx軸とy軸の2軸にデータをプロットしてグラフを描きます。
y軸には傾向を把握したいデータを入れ、x軸にはy軸の傾向を把握するポイントを入れます。
例えば
・「毎日の売上」の傾向であれば、x軸は日付、y軸は売上となります。
・「売上に対する売上原価」の傾向であれば、x軸は売上、y軸は売上原価となります。
・「室温の時間変化」であれば、x軸は時間、y軸は室温となります。
毎日の売上の記録からグラフを描いてみます。
E列に日付、F列に売上(千円)が入力されている場合、まずこれらのデータを選択します。選択した左側の列が横軸(x軸)、右側の列が縦軸(y軸)になります(データの並びを逆にすると横軸(x軸)と縦軸(y軸)が逆になってしまいます)。
下のシートの一番上の行は見出し(日付、売上)になっていますがデータと一緒にまとめて選択して大丈夫です。
次にメニューバーの「挿入」からグラフの散布図を選択します(下の散布図のアイコン)。
すると日付を横軸(x軸)、売上を縦軸(y軸)としたグラフができあがります。下のグラフの1点1点は日々の売上のデータです。
グラフを選択したまま、メニューバーの「デザイン」を選択する(グラフを描いた直後は勝手にデザインが選択される)とグラフのスタイルを変えることができます。
背景色など好みに合わせて変更すると良いでしょう。
グラフ横の「+」をクリックするとグラフの編集ができます。
軸ラベルを選択すると横軸(x軸)、縦軸(y軸)のラベル(名前)が表示されるのでこれを変更して横軸(x軸)、縦軸(y軸) がそれぞれ何を表しているか分かるようにしましょう。
横軸(x軸)を「日付」、縦軸(y軸)を「売上(千円)」とすると↓のようになります。
またプロットした点を線で結ぶこともできます。
プロットした点のどれでもよいので、マウスのカーソルを点の上にもっていき右クリックして「データ系列の書式設定」を選択します。
右側に設定項目が出てくるので「線」を選択します。
すると1点1点が線で結ばれます。
また、最初のグラフ選択の段階で点を線で結んだタイプのものを選ぶこともできます。そうすると最初から点が線で結ばれたグラフができあがります。
プロットした点の上にマウスのカーソルをもっていくとその点の横軸(x軸)と縦軸(y軸)の値が表示されます。
2、グラフを描く効果
異常値に気付ける
例えば、上のシートに示した毎日の売上のデータのグラフを見ると、日々の売上の変化に気付くことができます。
数値が並んでるだけだと変化が分かりづらいですが、グラフにすることによってとても分かりやすくなります。
例えば、下のように異常に売上が高い場合や、異常に売上が低い場合は目に付きやすいです。
なぜ売上が異常に低かったのか?
事実に気付くことで原因を分析するきっかけになるのです。
グラフにしてなければ、事実に気付くことができないかもしれません。事実に気付かなければ、原因を分析して改善策を練ることもありません。
人に説明しやすい
データをグラフにして視覚にうったえることで人に説明しやすくなります。
数値の羅列を見せても全然ピンとこなくても、グラフを見れば一目瞭然に分かることはたくさんあります。
・会社で上司に説明するとき
・顧客に説明するとき
相手に伝わる説明にするためにグラフは欠かせません。
3、どうすれば自分がデータ分析しやすいか、どうすれば他人に伝わりやすいかを考えてグラフを選択する
私の経験から言えばグラフは上で説明した「散布図」を使う頻度が一番高いです。
しかし、グラフの用途は無数にあるので自分の用途に合わせてグラフの種類(棒グラフ、円グラフなど)を選択するのが良いと思います。
どのグラフを選択するかの基準はそのグラフを作る目的によって変わってくるでしょう。
・自分がデータの分析をするためにグラフを描くのであれば、自分がデータを分析しやすいように
・データを他人に説明するのであれば、他人が理解しやすいように
その目的に合わせて適したグラフを選択するとよいです。