Excel(エクセル)でセルに数値を入力する場合、複数の特定の数値以外を入力できなくしたい場合があります。
「データの入力規則」の入力値の種類を「ユーザー設定」で設定することによってできます。
具体例を取り上げながら説明します。
1、「データの入力規則」の入力値の種類を「ユーザー設定」にする
次のシートで、各科目の支払額を税抜金額に変換することを考えみます。
C列に各科目の支払額を入力し、またセル「C2」に消費税率を入力すると E列で税抜金額を計算します。
E列のセル「E6」は「=IF(D6<>”非課税”,C6/(1+$C$2/100),C6)」と入力し、下の行にもコピペしてあります。
IF 関数を使っています。
D列に「非課税」と入力してある科目については、次の式で支払額を税抜金額に変換しています。
税抜金額 = 支払額 / (1 + 消費税率 / 100)
それ以外の場合は C列に入力した支払額をそのまま E列に出力するようにしています。
さて、ここからが本題です。
消費税率を入力するセル「C2」には消費税率として正しい数値以外は入力できなくしたいです。
消費税率は 8 と 10 のどちらかとしておきます(少し気が早いですが、、)。
セル「C2」を選択した状態で、「データ」タブの「データの入力規則」を出します。
「設定」の「入力値の種類」として「ユーザー設定」を選択しましょう。
そして「数式」に「=OR(C2=8,C2=10)」と入力します。
これにより、セル「C2」への入力は「C2=8」となる場合、または「C2=10」となる場合以外は受け付けられなくなります。
誤入力した場合のエラーメッセージも入力しておきましょう。
「エラーメッセージ」で「スタイル」は「停止」を選択し、
・タイトルに「注」
・エラーメッセージに「消費税率は 8 か 10 を入力して下さい。」
と入力します。
これでセル「C2」に 8 か 10 以外の数値が入力された場合には、上で入力したエラーメッセージが表示されます。
正しい消費税率を入力すれば、E列の「税抜金額」もちゃんと計算されます。
消費税率を「8」にした場合 ↓
消費税率を「10」にした場合↓
2、入力可能な数値を3つ以上にすることも可能
さて、先ほどのセル「C2」に消費税率として入力可能な数値を3つ以上にすることもできます。
3、5、8、10 を入力できるようにしたい場合は、「数式」に「=OR(C2=3,C2=5,C2=8,C2=10)」と入力します。
入力可能な数値を1つ1つ直接指定できるのが、ユーザー設定で OR を使った数式を使うメリットですね。
範囲で指定しようとすると余計な数値の入力も可能になってしまいます。
なお、入力可能な数値を1つに絞りたい場合は、同じくユーザー設定で OR を使った数式を入力してもできますがユーザー設定を使わない方法でも対応可能です。
「入力値の種類」として「整数」を選択し、「データ」として「次の値に等しい」を選択します。そして「値」には入力可能としたい数値を入れます(今回8としておきます)。
入力可能な数値を 1つに絞るのであれば、このやり方でも大丈夫ですね。
3、まとめ
セルに複数の特定の数値しか入力できなくするためには、データの入力規則の「ユーザー設定」を使う必要があります。
作成したシートを複数人で使いまわす場合など特に誤入力を防止できる仕組みを作っておくことは大事です。