エンジニアの仕事と税理士試験は、畑違いの分野です。
税理士試験の受験資格を得るために、簿記1級の勉強をはじめた頃は、これまでに全く経験のないことで右往左往しました。
元々バリバリ?の理系人間なんで(笑)
大学でも会社でも物理学の範囲しか(化学も少し)勉強してこなかったし、数式が無い学問というのはほとんど未経験でした。
簿記は計算だけど、その性質は物理学とは全く違います。
ましてや、法律などちんぷんかんぷんでした。
エンジニアの仕事と税理士試験を比べること自体がそもそも無理があるかもしれません。
しかし、税理士試験に挑む上でのマインドとして、エンジニア時代の経験はとてもためになりました。
1、絶対にできないとは言えないエンジニア、不可能を可能にする
製品開発の仕事に就くと
・製品のサイズ
・開発の日程
・コストの上限
など、様々な制約の中でスペックを満たす製品を作り上げなければなりません。
自動車部品であれば、ボンネットの中の限られたスペースに収まるような製品サイズにしなければなりません。ボンネットの中にはエンジンをはじめ、色々な部品がひしめいています。
お金をかければクリアできる技術的課題でも、コストの上限が決められると途端に難しくなります。自動車部品のコストが高くなり、車の販売価格が上がることは望ましくないのです。
クリアすることがかなり厳しい技術的課題に出くわすことがありますが、絶対に「できない」とは言えないのがエンジニアの仕事です。
「できない」と発言した瞬間に爆発する爆弾がセットされているのです(笑)
所属部署の部長や役員に対しては「現状、こういう技術的課題がありますが、これこれこうすればクリアできます!」というスタンスで報告し続けなければなりません。
常に課題クリアに向けて考え続けなければなりません。
「不可能を可能にする」のがエンジニアの仕事でした。
2、かなり難しいけど毎年一定数は合格者がいる税理士試験
税理士試験の勉強でも制約は付き物です。
・仕事との兼ね合い
・家庭とのバランス
・周囲に予備校があるか否か
など。
これらの制約の中で、勉強の課題を見つけ出しクリアしなければならないのは、エンジニアの仕事と同じです。
・成績が伸びなければ、どうすればよい点数がとれるか?
・試験結果が不合格ならば、どうすれば合格できるか?
考えなければなりません。
しかし、試験勉強はかなり大変だけど1人も合格者が出ないということはあり得ません。
毎年10%前後の人が合格します。
不可能を可能にするのとは違います。
勉強してて成績が思うように伸びないときや、試験勉強自体を止めたくなったときもありましたが、そんなときにはエンジニア時代のことを思い出すようにしました。
現状の人間の力ではクリアできない技術的課題に挑んだ経験です。
税理士資格は、毎年10人に1人は合格者が出ます!
その10人に1人に入るのはかなり大変だけど、解決策が未知の技術的課題とは違います。
両者は性質が同じではないので、どちらがより大変かと比べるのも難しいですが、ハードルが高いものに挑んだことがある経験というのは、自分自身のマインドとして必ず生きるものだと思いました。
3、まとめ
税理士試験は3科目しか受験していませんが、それでもしんどかったです。
ただ、過去にハードルが高いものに挑んだ経験があれば、あの時に頑張れたのだからやれるはずだ!!とか、あれに比べればまだいいかも!! と自分の支えになります。
勉強が辛くなったら、過去を思い出して自分を奮起させるのも一つの方法です。