Excel(エクセル)でデータの一覧から、条件に一致する情報を取り出したいときがあると思います。
そんなときに使える便利な関数が、VLOOKUP 関数です。
この関数を使えば、例えば
・「従業員の名前」という条件から「年齢」という情報を引っ張り出す
・「生徒の名前」という条件から「テストの点数」という情報を引っ張り出す
といったことができます。
今日はこのVLOOKUP 関数の使い方について説明します。
1、条件から情報を検索する
VLOOKUP 関数 は「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」となり4つの引数を用います。
少々ややこしい関数ですが、まず「引数が4つ」ということを覚えると良いと思います。
例えば、次のように従業員の情報(名前、性別、年齢)をまとめた表があったとします。
そして、セル「H4」に入力する従業員の「名前」から「性別」と「年齢」の情報を引っ張り出したい場合、
・性別を表示させるセル「H5」に「=VLOOKUP(H4,B6:D15,2,FALSE)」
・年齢を表示させるセル「H6」に「=VLOOKUP(H4,B6:D15,3,FALSE)」
と関数を入力します。
その状態で従業員の「名前」をセル「H4」に入力すると、その従業員の「性別」と「年齢」の情報がそれぞれセル「H5」とセル「H6」に表示されます。例えば名前が「あああ」の従業員であれば↓のようになります。
同様に、名前が「おおお」の従業員であれば↓のようになります。
このように、個々の従業員の情報を「名前」という条件から検索できるようになるのです。
4つの引数の意味
さて、4つの引数(検索値,範囲,列番号,検索方法)の意味について説明したいと思います。
検索値
まず、「検索値」というのは検索の条件のことです。この例では従業員の「名前」という条件で検索していることになります。
性別を表示させるセル「H5」に「=VLOOKUP(H4,B6:D15,2,FALSE)」と入力しました。「検索値」はセル「H4」となっており「H4」に入力された「名前」と一致する従業員の情報を取り出すことになります。
範囲
「範囲」とは検索の条件である「検索値」の候補となるデータごとの情報の集まりです。上の例ではB6~D15が該当し「B6:D15」のように書きます。
ここで1点注意が必要なのですが、「検索値」の候補となるデータはこの「範囲」の一番左側の列(B列)にしなければなりません。
「名前」の候補がB列に並んでなければならないということです。
「あああ~こここ」までの名前の中から「検索値」に一致するものを探し出します。
列番号
「列番号」とは「範囲」の中で「検索値」の候補となるデータの列を1列目とした場合に、何列目の情報を取り出したいかを表します。
・1列目(B列) 「名前」
・2列目(C列) 「性別」
・3列目(D列) 「年齢」
となります。
「性別」を表示させるセル「H5」の場合は、この「列番号」は2(列目)となります。
検索方法
最後の「検索方法」ですが、「TRUE」、「FALSE」のいずれかを入力します。
・TRUE 近似一致
・FALSE 完全一致
という意味です。
上の例ではFALSE としており、セル「H4」に入力した「検索値」とB列の「検索値」の候補となるデータが 完全に一致するものを取り出します。
セル「H4」に「おおお」と入力した場合は、B列の名前(検索値の候補となるデータ)から「おおお」と完全に一致する場合の情報を取り出すということです。
*なお、「検索方法」をTRUEにして良いケースというのは「検索値」の候補となるデータが数値の場合です。この場合についてはまた別途どこかで説明したいと思います。
セル「H5」の数式により
①B列の中で検索値「おおお」と完全に一致するデータを探す
②「おおお」と同じ行で 2列目のデータを探す
ということをやっているのです。
2、下準備としてデータの並びを整える
上でも少し触れたようにこの関数を使うには データの並びに注意しなくてはいけません。
「検索値」の候補となるデータを「範囲」の一番左側の列に並べなくてはなりません。
下のシートのように、「名前」を中央の列に並べてしまった場合、その列よりも左側の列の情報を取り出すことはできません。
「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」の「列番号」は必ずプラスの数値でなければならないのです。
マイナスにするとエラーが出てしまいます。
ですので、データを入手しVLOOKUP 関数を使いたい場合には「検索値」の候補となるデータが一番左側の列にくるようにデータを並び替える必要があります。
3、まとめ
以上で VLOOKUP 関数の使い方について説明しました。
なかなかとっつきづらいところがあると思いますので、まずは
・引数は4つ
・「検索値」の候補となるデータは一番左側の列
という2点を意識すると良いと思います。
関数内の4つの引数の順番など、忘れてしまうことも多いと思うので使う頻度を上げて徐々に慣れていくことをお勧めします。