今日は、修士論文(税法論文)の作成で参考になった書籍を紹介します。
私は修士論文のテーマとして『知的財産権法』と『税法』両方に関係したテーマで執筆しました。
・税法は所得税法の範囲
・知的財産権法は特許法の範囲
でした。
以前に所得税法について参考になった書籍を紹介しました。
今日はもう1つの法分野である知的財産権法について、実際に購入して参考になった書籍をいくつか紹介します。
1、知的財産権法とは
まず、知的財産権法という法分野はなかなか馴染みがないと思います。
民法や商法と比べ、どうしてもイメージしずらいでしょう。
私の理解を以下にざっくりと書きますね。
知的財産とは、人間の知的活動によって生み出されたアイデアなどのことを言います(目には見えない財産です)。
そして、知的財産権というのは上記のアイデアなどを守る権利のことを言います。
特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権などが知的財産権に該当し、それについて規定した法律のことを知的財産権法というのですね。
2、知的財産権法関係の書籍
中山信弘『特許法』(弘文堂、第 3 版、2016)
特許法の基本書です。全 500ページ以上。
特許法関係のテーマで修士論文を書く場合には、必ずと言っていいほど引用・参照することになるでしょう。
特許法全般について、学説・判例を幅広くに取り上げながら分かりやすく解説しており、読みやすいです。
私の場合は特許法35条の職務発明とノウハウの部分について何回も読み返しました。
本書籍中の自分のテーマと関係する箇所で引用・参照している単行本、雑誌論文、判例などは、自分のテーマを進める上で重要な位置付けになるものが多いでしょう。
紋谷暢男『知的財産権法・競業法論集』(商事法務、2013)
やや難しい内容の書籍です。全 500ページ以上。
知的財産権法全般(特許法、実用新案権法、意匠法、商標法など)について書かれており、内容も深いです。
文章表現が難しいため、必要な箇所は何回も何回も熟読して理解した方が良いでしょう。
範囲は広く、かつ、他の文献にあまり書かれていない分野のことについても言及している印象です。
特許法の発明者主義と使用者主義について勉強するときに、とても参考になりました。
谷口智紀『知的財産取引と課税問題』(成文堂、2013)
「知的財産権法と税法両方に絡む範囲」に特化した数少ない書籍です。
著者の学説をまとめあげた本と言えるでしょう。
アメリカ租税法についても触れられており、範囲は絞られているけど深いです。
3、まとめ
知的財産権法関係のテーマの場合に参考となる書籍で、実際に私が購入したものをあげました。
参考にして頂ければと思います。
*なお、他にも図書館で部分的にコピーして集めた文献はたくさんあります。
知的財産権法 ✖️ 税法
上記がマイナーな組み合わせなのでテーマの数は少ないです。
税法論文を執筆する場合には、税法のみではなく選んだテーマと関連する別の法分野の勉強も不可欠です。