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freee × Excelマクロ × RPA で効率化!! Excel 請求書データを freee にインポートする場合


静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!

先日クラウド会計ソフト freee のイベントに出てから、色々と使いかたを研究しているところです。

さて、freee は銀行取引をネットバンキングでダイレクトに取り込めるなど便利な点に魅力があるツールです。



しかし、操作にクリックが必要な場合が多く、使いにくいところもあります

私が日頃よく使う Excel は、自由度が大きく自分でカスタマイズできるので使いやすいです。

ですので、freee と Excel を合わせて使うと、色々と幅が広がると思っております。

まだ、freee と Excel という別のツールの間のデータ移動を自動化するために RPA が使えます。

今日は、freee × Excelマクロ × RPA(UiPath) を使ってできることを一例として取り上げてみたいと思います。

Excel の請求書データを freee にインポートする過程を自動化してみました。

どのようなことをやっているか動画を作ってみました。

こちら↓ は RPA を使わずに手動で請求書データを取り込む場合です。解説付きです。

こちら↓ は RPA を使って請求書データを取り込む場合です。最後にfreeeへのインポート完了の確認を行うところ以外は、全ての操作を自動化しています。音声はありません。

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1、Excel の請求書データを freee にインポートする

freee にも請求書の機能は付いていますが、元々 Excel の請求書を使っていた場合

Excel の請求書のデータを freee に飛ばして使うことができます。

以下のような Excel の請求書があったとします。

Image(30)

1つ売上で 1つの請求書を発行します。

さて、請求書を発行した時点では以下のような仕訳を起こすことになります。

売掛金    〇〇  /  売上高   〇〇

freee では未決済取引として登録することで、上記の仕訳が起きます。

未決済取引を外部から取り込んで登録する方法として、Excel インポートがあります。

Image(31)

以下のデータの並び(売掛金の「発生日」「金額」「取引先」を並べたもの)の Excel ファイルを選択して freee に取り込みます。

Image(32)

さて、今回最終的には RPA(UiPath)を使って、以下の動作を全て自動化してみました。

①マクロ(Excel VBA)で、freee に取り込む用の Excel ファイルに請求書のデータを取り込み
 ↓
②freee のエクセルインポートで、上記 Excel ファイルをインポート

Image(33)

この仕組みについて、以下で説明します。

2、マクロ(Excel VBA)で請求書のデータを並べる方法

以下の Excel ファイルを全て同じフォルダに入れておきます。

●全ての Excel の請求書ファイル「請求書 社名.xlsx」
●freee にインポートする用のファイル「取込用ファイル.xlsx」
●マクロ(Excel VBA)入りのファイル「変換マクロシート.xlsm」

Image(34)

マクロを使って、1つ1つの Excel 請求書ファイルの内容を、インポート用のファイル「取込用ファイル.xlsx」に取り込みます。

Image(35)

全 VBA コード

全VBA コードを以下に示します。

VBA コード説明

VBA コードの説明をします。

フォルダパス・ファイル名の抽出

フォルダパスとファイル名を抽出しています。

ThisWorkbook.Path はこのマクロ入りのファイルが入ったフォルダのパスです。

これに ”\” を付けたものを、変数 Folder_Path に入れています。

Dir(Folder_Path & “*.xlsx”) により、Folder_Path の後ろに「.xlsx」が付くファイルのファイル名を出しています。

そして、それを変数 FName に入れています。

請求書を1つずつ開いて情報を抽出

ファイル名に「請求書」の文字が入っているエクセルファイル(.xlsx)を1つずつ開き、発生日、金額、取引先の情報を取り出して、このシートに出力して行きます。

Image(36)

データをエクセルファイル(.xlsx)にコピペ

シート上の情報を、freee にエクスポートする用のファイル「取込用ファイル.xlsx」にコピペします。

形式を選択して貼り付けの「値と数式の書式」を使っています。

その後、「取込用ファイル.xlsx」を上書き保存して閉じています。

3、RPA(UiPath)で Excel ファイルを freee にインポートする方法

次に RPA(UiPath)を使って、Excel ファイルを freee にインポートする方法についてお話しします。

UiPath の「アクティビティ」パネルと「デザイナー」パネルを使って組みます。

Image(4)

Excel(変換マクロシート.xlsm)ファイルを開く

UiPath の画面左側のアクティビティパネルで「Excel」と検索すると出てくる「Excel アプリケーションスコープ」を選択し、デザイナーパネルにドラッグします。

Image(5)

実行する Excel ファイル(マクロ入り)のパスを入力します。

“” で囲うことを忘れないようにしましょう。

Image(6)

マクロを実行する

次に、マクロ(Excel VBA)を実行する部分を作ります。

アクティビティパネルの「マクロを実行」を選択してデザイナーパネルの「Excel アプリケーションスコープ」の中にドラッグします。

Image(2)

Excel ファイルの中にあるマクロの名前を入力します。ここも “” で囲うことを忘れないようにしましょう。

Image(7)

freee にログインする

続いて、ブラウザーを開き freee にログインする部分を作ります。

freee のエクセルインポートのページの URL を使います。

Image(8)

UiPath のアクティビティパネルで「ブラウザー」と検索して出てくる「ブラウザーを開く」を選択し、デザイナーパネルにドラッグします。

Image(9)

続いて、先の URL をコピペします。こちらも ”” で囲うことを忘れないようにしましょう。

Image(10)

続いて、ログインする部分を作りこむために、「レコーディング」の「ウェブ」を使います。

Image(11)

次に、「Tタイプ」を選択します。

Image(12)

この状態で実際にウェブ上で行う操作を行います。

まずログイン画面の「メールアドレス」を入力します。

Image(13)

続いて同様にして「パスワード」を入力します。「パスワード入力」にもチェックを付けるようにしましょう。

Image(14)

デザイナーパネルには以下のように表示されます。

Image(15)

次に、先と同じ「ウェブレコーディング」の「クリック」を選択します。

Image(16)

そして、「ログイン」ボタンをクリックするところをレコーディングします。

Image(17)

これで、メールアドレス、パスワード入力後のログインボタンを押す部分ができあがりました。

Image(18)

Excel ファイルをインポートする

続いて、freee の画面上で Excel ファイルをインポートする過程を作ります。

使う機能は先と同じで「ウェブレコーディング」です。

「形式の選択」で「収入取引データ」を選択した後に、「ファイルのアップロード」でインポートする Excelファイルを選択する部分をレコーディングします。

「ファイルのアップロード」をクリックするまでの部分をまず1つ1つレコーディングします。

Image(19)

レコーディングすると、次のようになります。

Image(20)

次に、アップロードするファイルを選択する部分を作ります。

Image(21)

先と同様に「ウェブレコーディング」を使うと、デザイナーパネルには次のようにできあがります。

Image(22)

次は、ファイルを選択した後に「開く」ボタンを押す部分を作ります。

Image(23)

同様に「ウェブレコーディング」を使うと、デザイナーパネルには次のようにできあがります。

Image(24)

これから先も freee の画面上で行う操作を1つ1つレコーディングして行きます。

Image(25)

デザイナーパネルは次のようになります。

Image(26)

 

その後のデータ処理の部分を作ります。

売掛金として計上するために、「未決済」を選択して、「課税売上8%」を選択します。

そして、最後に「登録する」をクリックします。

Image(28)

デザイナーパネルは次のようになります。

Image(29)

4、まとめ

このようにして、Excel の請求書データを freee にインポートする過程を自動化してみました。

freee は Excel VBA、RPA(UiPath)と組み合わせて使うことでできることの幅が広がると感じています。

是非試して頂ければと思います。



編集後記

7/21 に商工会の関係の税務相談に対応させて頂きました。

普段は税理士なしで決算対応されている法人で、決算に向けて疑問点を無くしたいということでした。

雑多な質問で大変ではありましたが、全身全霊で答えさせて頂きました。