静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!
会社の業績は黒字が続いた方が良いことは間違いありませんが、赤字になってしまうことはあります。
ただ同じ赤字でも、その内容原因によって良し悪しが変わるものです。
今日はこのあたりのことについてお話しします。
1、なぜ赤字になっているのか? 数字を見る
なぜ赤字になっているのか、数字をしっかり見なくてはいけません。
決算書の以下の金額はチェックするようにしましょう。
・売上高
・粗利益(= 売上高 - 売上原価)
・販管費の内訳
・営業利益( = 粗利益 - 販管費)
・経常利益
売上高
すべての起点は売上高です。
赤字の場合に売上高が前年、前々年と比べて大きく下落していたら、原因をはっきりさせましょう。
そして、売上を伸ばす方法を考えるしかありません。
粗利益が低い場合
次に粗利益です。
利益を出すためには、粗利益が取れていないと厳しいです。
利益率(= 粗利益 / 売上高)は業種ごとに適正な数字がありますので、それを満たせているかしっかりチェックするようにしましょう。
また、過去との比較も大事ですので前年、前々年と比べて大きく悪化していないか確認しましょう。
建設業や製造業など、売上原価(製造原価)が大きい業種の場合、特に注意する必要があります。
利益率が大きく悪化している場合
・値付けの仕方を見直す
・仕入値を見直す
必要があります。
売上原価と売上高は市場の力関係で決まることも多いので、難しい場合もあるかと思いますが何とか改善できるように努めて頂きたいです。
利益率が適正でない場合、売上が伸びたとしても厳しいままになってしまいます。
減価償却費・役員報酬以外の販管費が大きい場合
営業利益(=粗利益 - 販管費)に影響する販管費が適性かチェックすることも大事です。
*減価償却費と役員報酬については、後でお話ししますのでそれ以外の販管費について
減価償却費と役員報酬以外の販管費が大きい結果として粗利益が食いつぶされてしまう場合、販管費の内訳を見直す必要があるでしょう。
例えば、その期に何か設備が壊れて多額の修繕費がかかってしまった場合など、イレギュラーな出費であれば翌年以降は無いことになります。
しかし、今後も毎年発生すると考えられる出費が大きい場合は、削れるものが無いか? よく検討しましょう。
消耗品費、交際費が異常に大きい場合など改善の余地があることが多いかと。
減価償却費が大きい場合
高額の固定資産を購入した直後の数年間は、減価償却費が大きくなります(定率法で計算する前提)。
減価償却費が大きくて赤字になったのであれば、必要なものを買ったことによるものなので仕方がないです。後々、減価償却費が小さくなるに従って利益が出やすくなります。
固定資産を購入する際には、多額の現金支出を伴います。
しかし、減価償却費として費用処理する際には現金の支出は無いので、資金繰りが悪化することはありません。
役員報酬が大きい場合
販管費の中で役員報酬が大きくて赤字になるのであれば、他の場合と比べれば全然良いと言えます。
会社の儲けは個人に還元されるべきですので。
会社側でお金が不足したのであれぼ、個人から借り入れることができます(役員借入金)。
もしものときのために、役員報酬を高めに設定するのも有りでしょう。
ただ、銀行からの借入金が多い会社の場合、銀行から役員報酬を下げるように言われる可能性はあります。
役員報酬は基本的に年に1回、決算後の株主総会で決議することによって変更することができます(1年に1回このときしか変更できません)。
2、まとめ
赤字でもその原因によって良し悪しがあります。
売上高が低いこと、粗利益が取れないことが原因の場合は望ましくありません。
役員報酬が高いことが原因であれば、他のケースよりも全然良いと言えます。
決算の数字を見て原因をはっきりさせましょう。
編集後記
昨日(6/5)は丸一日、西伊豆方面へ決算の報告へ行きました。
昼食↓
今日も明日も出張です。
今週外出が多くて、じっくり腰を据えて仕事できていません。
来週巻き返さなきゃならないですね。