サラリーマンは毎月所得税を源泉徴収(給料から天引き)されています。
源泉徴収税額は、源泉徴収される人の
・社会保険料等控除後の給与等の金額
・扶養親族等の数
をもとに源泉徴収税額表を用いて計算します。
源泉徴収税額表は、国税庁が発行するこのような↓紙の資料です。
また、国税庁のHPでPDF版やExcel版をダウンロードすることもできます。
平成29年分の月額表のExcel版をダウンロードして使います。
ダウンロードした直後は、ファイルの拡張子が xls となっており、互換モードで開くので拡張子を xlsx にして保存し直します。
今日は、このExcel 版の源泉徴収税額表(月額表)でVLOOKUP関数を用いて源泉徴収税額を計算する方法について説明します。
なお、源泉徴収税額表の見方については、Youtube に動画をアップしておりますのでよろしければどうぞ!
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また、源泉徴収税額表から源泉所得税を読み取る自作のExcelツール(マクロ付)を作成しております。以下の動画で使い方を解説しておりますのでよろしければ参考にして下さい▼
(動画の概要欄からツールをダウンロードできます!)
1、「社会保険料等控除後の給与等の金額」と「扶養親族等の数」の範囲
社会保険料等控除後の給与等の金額(以下、給与等の金額とします)が88,000円未満の場合は、扶養親族等の数が何人でも源泉徴収税額は0円です。
今回VLOOKUP関数で検索する給与等の範囲は
・下限は 88,000円以上
・上限は 860,000円未満
とします。
また、扶養親族等の数は7人以下にします。
上記の範囲を外れる場合には、特別な計算方法があるのですが今回はそこには触れません。
ほとんどの人(源泉徴収される人)が、上記の範囲に収まります。
2、源泉徴収税額を計算する前の下準備
まず、Excelファイルをダウンロードした直後は「改プレブュー」になっているので「標準」にします。
メニューバーの「表示」で「標準」を選択すれば「改プレブュー」を解除できます。
次にセル「D11」を選択して、「表示」の「ウインドウ枠の固定」で、画面をスクロールしても特定の範囲を動かないようにしておきます。
「扶養親族等の数」をセル「O3」
「給与等の金額」をセル「O4」
に入力して、源泉徴収税額をセル「O5」で計算して表示するようにします。
3、VLOOKUP 関数の検索方法をTRUEにしてあいまい検索をする
VLOOKUP 関数 は「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」のように4つの引数を用いて記述します。
最後の「検索方法」ですが、「TRUE」、「FALSE」のいずれかを入力します。
・TRUE 近似一致
・FALSE 完全一致
今回は「給与等の金額」が数値の範囲で区切られているので、TRUEを使います。
なお、検索条件をTRUEにするあいまい検索については下の記事で詳しく説明しております↓
源泉徴収税額を計算するセル「O5」に「=VLOOKUP(O4,B10:K350,O3+3,TRUE)」と入力します。
・350行目は「社会保険料等控除後の給与等の金額」の一番端です。
・K列は「扶養親族等の数」の一番端です。
B10~K350 を「範囲」にしています。
また、大変ありがたいことに、源泉徴収税額表の一番左側の列(B列)は、給与等の金額の区切られた範囲の下限になっています。
セル「B10」が 88,000
セル「B11」が 89,000
セル「B12」が 90,000
となっていますが、この場合検索条件がTRUEだと例えば給与等の金額が
88,000以上 89,000未満
のときは10行目を検索します。
また、もう一つのポイントは列数です。
扶養親族等の数によって検索する列数が変わってくるのですが、
・0人の場合 3列目
・1人の場合 4列目
・2人の場合 5列目
・
・
・
・7人の場合 10列目
となっているので、これを上手く活かし計算式の「列番号」は「扶養親族等の数+3」となるように、「O3+3」としています。
さて、入力した計算式で正しく検索できるか確認してみましょう。
給与等の金額として 88,000円
扶養親族等の数として 0人
を入力した場合、源泉徴収税額は130円となることが確認できます。
給与等の金額として 88,000円
扶養親族等の数として 4人
を入力した場合、源泉徴収税額は0円となることが確認できます。
給与等の金額として 212,000円
扶養親族等の数として 0人
を入力した場合、源泉徴収税額は5,200円となることが確認できます。
給与等の金額として 212,000円
扶養親族等の数として 4人
を入力した場合、源泉徴収税額は0円となることが確認できます。
いずれも源泉徴収税額表から正しい金額を計算できており、問題ありません。
4、まとめ
以上で源泉徴収税額表でVLOOKUP関数を用いて源泉徴収税額を計算しました。
国税庁が発行した紙の資料で源泉徴収税額を探すのは面倒で目が疲れます。
いくつも数値が並んでいるので、読み間違えるリスクもあります。
Excelで計算してしまえば、こういったストレスを軽減することができます!
なお、マクロ(Excel VBA)を使って源泉徴収税額表から「賞与に対する源泉徴収税額」を計算する方法についてはこちら↓の記事に書きましたので参考にして頂ければと思います。
なお、源泉徴収税額表の見方については、Youtube に動画をアップしておりますのでよろしければどうぞ!
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また、源泉徴収税額表から源泉所得税を読み取る自作のExcelツール(マクロ付)を作成しております。以下の動画で使い方を解説しておりますのでよろしければ参考にして下さい▼
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