税理士試験の本試験に向けて、答練では試行錯誤を繰り返しながら自分に合った解き方を確立しなければなりません。
今日は、簿記論の答練をどのように解いていたか、当時の資料を見ながら記憶を掘り起こしてまとめてみました。
数ヶ月後にはじまる答練の対策として、参考にして頂ければと思います!!
1、簿記論の答練で注意すること
まず、答練にのぞむスタンスとして注意していた点をあげたいと思います。
時間配分
第1問〜第3問、それぞれ時間配分を決めるようにしましょう。
答練を繰り返すうちに自分に合った配分を決めれば良いでしょう。
私は
・第1問 30分
・第2問 30分
・第3問 60分
このように時間配分を決めて、きっちり守るようにしました。
まず、第3問から解き始めて60分経ったら、何があっても時間をオーバーせずに、次に行くようにしました。
ムキにならない
難しい問題に出くわした場合、ムキになって解こうとしない方が良いです。
簿記論の答練は難しい問題を解く練習ではなく、正答率が高いと思われる問題をミスせずに解くための練習です。
本試験で難しい問題にのめり込んでしまうと、いいことはありません。
答練の段階で取捨選択の練習をしましょう。
高得点を狙わない
点数を上げることよりも、簡単な問題の正答率を上げることを意識しましょう。
私は、毎回Aランクと思われる問題の正答率を9割以上にすることを目指してました。
簡単な問題をきっちり解いた上で他の問題も解いて、結果的に点数が高いのは良いことだと思います。
ですが、最初から高得点を狙っているといいことはありません。
落ち着いて解くこと
時間に余裕がないのでどうしても急いで問題を解きたくなります。
ですが、焦って解くとケアレスミスが起こりやすくなります。
そもそも問題の分量が多いので、2時間で全てを解くのは絶対に無理です。
焦らずに慎重に解くことを意識しましょう。
推定の問題に最初に手を出さない
第何問から解き始めるかは、人によって異なるでしょう。
第1問又は第2問から解き始める人は、推定の問題が出た場合には試験スタート直後には手を出さない方が良いと思います。
なぜなら推定の問題は、ある程度頭が慣れて来てからでないと解きにくいからです。
ひらめきも大事です。開始直後でエンジンがかかってない状態では、ひらめくものもひらめかないです。
簡単な問題でも電卓は2度叩く
ケアレスミス対策の一環ですが、簡単な問題ほど慎重に解きましょう。
私は計算の過程でも常に電卓を2回叩いて、同じ数値がでることを確認していました。
例えば、賞与引当金の計算は、だいたい与えられた金額に6分の4掛けるだけですが、そんな程度の計算でさえ2回電卓を叩くようにしました。
簡単な問題は早く終わらせたいと思い、雑に解きがちでしたが、計算ミスしたら取返しのつかないことになる場合もありますので。。
解答欄への写し間違えが無いように、指差し確認をする
問題によっては解答欄に解答項目(例 建物、機械、、、)が書いてある場合もあります。
その場合は、計算結果を写し間違えることは少ないと思います。
しかし、解答欄に番号しか書いてないことも多いです。
そういう場合にうっかり写し間違えをしてしまうことがあり得ます。
私も、減価償却費の計算結果を解答欄に書き写す際に、建物、機械、備品、、、各項目の番号を1つずらしてしまい大量失点した経験があります(><) ↑これだけで、減価償却費関係は0点です。。 上に書いた減価償却費や有価証券の解答項目を書き写し間違えると、軽く3~4点失点するのでとても痛いです。 ちゃんと指差し確認をして、問題用紙の番号と解答用紙の番号が一致していることを確認しましょう。
2、問題を解く順番
第1問~第3問をどの順番で解くかは人によって違うと思います。
自分に合った解き方を試行錯誤する必要があります。
私は、先に少し書いたように、第3問から解くようにしていました。
第3問は総合問題なのでエネルギーを使います。
まだ、頭が疲れ切っていないうちに手を付けた方が良いと考えました。
また、私の受験当時、本試験で学者が問題を作る第1問、第2問は難易度が高い場合が多く解答できる箇所が少なかったのです。
本試験で開始直後に難しすぎる問題に出くわすと、動揺してしまう気がしていました。
第3問は全体的には難しくても、その中で必ず簡単な問題が散りばめられています。
そういう宝物をとりっぱぐれないように、まず第3問から解くスタイルにしました。
簡単な問題にはまず傾斜配点が来ると考えて良いと思います。
3、第3問の解き方
第3問を解くときは、まず7~8分かけて問題文の全てに目を通しました。
そして、チェックすべき項目にマーカーで印を付けていきました。
また、解答用紙にも必ず目を通すようにしました。
素読みの段階でチェックした項目
会計期間
4/1~3/31の場合が多いですが、たまに1/1~12/31の場合や8/1~7/31という特殊な場合もあります。
先入観で4/1~3/31と決めつけずに必ずチェックするようにしましょう。
ここを間違えると、減価償却費の月数や有価証券利息の月数を数え間違えてしまいます。
会計期間が4/1~3/31でない場合、問題用紙の全てのページの一番上に大きく会計期間を書いて(例 1/1~12/31)、〇で囲って目立つようにしておきました。
金額計算の端数
円未満の端数を四捨五入するのか切り捨てるのか、冒頭に指示があるのでチェックしましょう。
法人税等の実効税率
法人税等の実効税率は、私が受験した当時はほとんどの場合が40%でしたが、たまに38%の場合がありました。
そのような場合には、会計期間と同じく問題用紙の全てのページの一番上に大きく38%と書いて、〇で囲って目立つようにしておきました。
また、法人税等の実効税率が関係する問題の横にも38%と書き、〇で囲うようにしました。
これも思い込みで決めつけないようにしましょう。
法人税等の実効税率は問題文の一番最初にしか書いてないので、しっかりチェックする必要があります。
減価償却費、有価証券利息の月数を数えるための日付の確認
減価償却費、有価証券利息の期間配分の計算で月数を数えるためには、期間をしっかりカウントしなければなりません。
期中に取得した固定資産の減価償却費の月数配分の起算点はいつか?日付をチェックしましょう。減価償却費の問題の中に、いくつも日付があり起算点を見間違えてしまうこともあるので、落ち着いて確認した方が良いです。
同様に有価証券利息の月数配分の起算点も落ち着いてチェックしましょう。
また、これは素読みの段階でやっても後で問題を解いてる最中にやっても、どちらでも良いと思うのですが、
月数を数えるときは必ず 1、2、3、4、、、と指を折りながらカウントすると数え間違えが起こりにくいです。
解答項目に賞与引当金があるか否か
解答項目に賞与引当金があれば、真っ先に手を付けるべき項目です。
だいたいの場合が、与えられた金額に6分の4掛けるだけで答えが出ます。
私の場合、解答項目にこの賞与引当金がある場合には、素読みの段階で即計算して解答用紙に写すようにしていました。
ただし、月数が4ヶ月分でよいか否かは必ずチェックするようにしましょう。
答練で月数が5ヶ月になっていたことがあり、見事に引っかかった経験があります(><)
本試験でも月数が必ず4ヶ月とは限らないと思います。
これも思い込みで判断しないように注意した方が良いです。
解答項目に破産更生債権等があるか否か
破産更生債権等は、金額を写すだけで良い場合が多いです。
賞与引当金と同様に、素読みの段階で即解答用紙に写すようにしました。
前TB(決算整理前残高試算表)に売上値引、仕入値引が載っているか否か
売上値引、仕入値引が前TBにあれば、売上高、売上原価の計算の際に控除しなければなりません。
また、後TB(決算整理後残高試算表)にもこれらの項目があれば、前TBの金額を転記するだけで正解の場合があります。
解く手順
問題を解く順番ですが、
まず、先に書いたように破産更生債権等、賞与引当金が解答項目にあれば、素読みの段階で解答します。
あとは、問題文の後ろの方から解くようにしていました。
・減価償却費
・有価証券
・社債
・新株予約権
・リース
↑これらは、1つの設問の中で完結する勘定科目が多く含まれています。
いくつもの設問にまたがることもないので、集計も面倒ではなく得点しやすいです。
(時にはすごく難しいときもありますので、その際はパスするようにしましょう。)
一通り上記の設問を解いたら、問題の最初に戻り
現金・預金
続いて売掛金、買掛金
最後に商品売買
このような順番に解いていました。
商品売買は難しい場合が多く、とても得点しにくいので一番最後に回すようにしていました。
時間に余裕があれば解こう!ぐらいのスタンスです。
金額の集計
集計が必要な勘定科目もたくさんあります。
仮払消費税、仮受消費税、繰延税金資産、繰延税金負債は、計算用紙の一番上にT字を書いて集計していました。
素読みが終わったら、まずこれらの集計の準備のために、すぐにT字を描いていたと記憶しております。
他の項目も集計が多いもの(人件費など)はT字を描いて集計をし、集計が少ないもの(受取利息など)は前TBの横に+△と金額を書くようにしました。
なお、集計の数が多いことが分かっている勘定科目(仮払消費税、仮受消費税、人件費、売上高、売上原価、、、、)以外は、1つ金額の増減を計算したらすぐに解答用紙の方に写しておりました。
例えば、前TBの支払利息 2,100円に対して、ある設問での計算の結果+200円することとなった場合、前TBの横に+200と書くと同時に、解答用紙にも 2,300 と書いてしまうのです。
すぐに解答用紙に写しておかないと、写し忘れてしまうことがあります。
後で金額の増減があるかも、、と思い解答用紙への転記をせずに放っておいた結果、何も増減はなく解答用紙に写すのも忘れてしまうというのはもったいないことです。
とりあえず転記してしまって、後で修正があれば二重線で直せば良いだけなので。
4、答練の反復練習
直前期には、ひたすら答練の解き直しをしなければなりません。
5~8月まで、ほぼ毎日1回分の答練の解き直しをしていました。
・実力完成答練 第1回~6回
・直前予想答練 第1回~3回
これらはすべて最低5回は解き直したと思います。
たまに、過去の本試験の問題も解くようにしました。
毎日同じことを繰り返して、その流れで本試験まで行くことが大事です。
特に第3問は、ブランクがあると勘が鈍ってしまいます。
また、答練の復習をしつつ、個別論点の復習(足元固め)もしっかりとやるようにしましょう。