私は大学院で修士論文を書いて、税理士試験の税法を2科目免除して税理士になりました。
仮に今もし「大学院で税法免除しようか迷っているんですけど、、」みたいな相談を受けたら、「全然それでいいと思いますよ!」と答えます。
なぜ、「思いますよ」というふうに言い切らないかというと、それは人それぞれ考えやこだわりがあるので、強制はしたくないからです。
2017年3月に大学院を卒業して税理士登録し、少しずつ税理士としての経験を積んでいる最中であります。
今日は、税法を免除して税理士になることについて改めて考えてみました。
1、税法2科目を免除することを前提で臨んだ税理士試験
まず、税理士になる前の話からさせて頂きます。
私が大学院で税法2科目を免除することをはっきりと決めたのは 2013年4月で、税理士試験の初受験前でした。
これから簿記論の勉強が直前期に入ろうかとしている頃です。
会社を辞めて税理士試験に挑戦する前から、院に進むことを考えていました。
後から聞けば、この業界にいて税理士を目指す人は基本的に5科目合格を目指しており、免除することを前提で考えている人は少ないようです。
試験に受からない場合に、院に行く人が多いということです。
私は、30代半ばからの転職組だったのでこの業界の常識(?)を知りませんでした。
予備校も Web 受講だったので受験仲間も皆無でしたしね。
それゆえ、免除は税理士になるための1つのルートぐらいに考えていました。
確実性が高いルートがあるならそれを使わない手はないと思いました。
あと、資格の勉強と実務は別物だということを過去の経験から分かっていました。
エンジニア時代に製図検定という CAD で図面を描く検定のためにすごく CAD の練習をして合格することができたのですが、それによって実務で CAD が使えるかというとそうではありません。
結局、実務は実務で経験が必要でした。
資格と実務は別物
というのが当時より自分が持っていた考えです。
●業界の常識が無かったこと
●過去の経験から資格と実務は別物と考えていたこと
などから、大学院での税法2科目免除を選択することに迷いはありませんでした。
2/10(金)~12(日)にかけて、就学中の東亜大学大学院 法学専攻の公聴会がありました。公聴会というのは、修士論文(税法2科目免除のための税法論文)の発表会のことを言い、最終審査を兼ねています。この最終審査を無事パスすることができたので、今後は国税庁に論文を提出して、審査を受けることになります。卒業式の日に必要な書類をまとめて国税庁に郵送する予定です。あとは当大学院の免除実績を信じたて待ちたいと思います。さて、今日は大学院での税法2科目免除について書きたいと思います。1、大学院で税法免除を受けるに至... 大学院での税法2科目免除について - My タックスノロジー |
2、税理士登録後に改めて税法2科目免除について考えてみる
税理士登録してから改めて感じていることを書きたいと思います。
まず、定期的に開催されている研修会があることにより、実務に役立つ知識を吸収する機会が劇的に増えました。
日頃やることは実務なので、実務目線というのがとても大事なのですよね。試験勉強は実務目線の内容ではありません。
また、税務通信などの税務雑誌をじっくり読む時間もできました。
試験勉強に追われていたら、そういう時間は無かったでしょう。
税理士登録したことで、本当の意味での勉強が始まったと思っています。
大学院で税法を免除したことで、同業の方やお客さんから何か言われたことはありません。
同業の方で私の他にも税法を免除している方はたくさんいますが、それと実務能力は関係ありません。
少なくとも私が見てきた限りはそうです。
優秀な方はめちゃ優秀です。
ですので、大学院で税法を免除するというのは、税理士になるための1つの手段と考えればいいのではないでしょうか。
大事なのはそこではありません。私の周りの同業の方々もそう思っていると思います。
手段と目的は分けて考えるべきでしょう。
税理士になった先に目的があるのであって、税理士になるための手段は何でも良いのです。
Youtube の動画でも自分の考えをお話しさせて頂いておりますので、よろしければどうぞ ▼
3、まとめ
ですので、税理士試験になかなか受からない方が大学院で税法を免除するのは全然ありだと思いますし
最初から大学院に行くのもありだと思います。
年に1回でその日のコンディションや運で結果が左右されうる試験より、よっぽど確実性が高いです。
それに、「考える力」という点で修士論文の作成はとても良い訓練になりますし、他にもいろんな意味で大学院を出て良かったと思っています!
修士論文(税法論文)の作成を通じて、租税法に触れることができました。法律とガチで向き合う機会は、日頃の実務の中ではあまり無かったので、新しいことが勉強できて本当に良かったです。ただ、租税法は学問なのでどうしても日頃の実務とはかけ離れたところがあります。しかし、この修士論文の作成を通じて身に付いたものは租税法の知識だけではありません。他にも副産物として、「考える力」と「文章を書く楽しさ」が身についたと思います。これらは日頃の実務にも活きてきますし、これから先も必要になるものだと信じています。1、... 修士論文(税法論文)の作成を通じて得られた副産物 「考える力」、「文章を書く... - My タックスノロジー |
*大学院でどのような学びがあったから行って良かったと思うかの詳細については今回の記事では書きません。
人によって価値観も違うので難しいところではありますが、
少なくとも私はどうやって税理士になったかという過程よりも、「1日でも早く税理士として土俵に立つこと」の方が大事だと思っています。