私が税理士試験の簿記論を受験したのは2013年と2014年です。
最初の受験科目であり、1回不合格を経験したので税理士試験の洗礼を受けたことになります。
私の税理士試験の合格科目は簿記論、財務諸表論、国税徴収法の3つです(大学院で税法2科目を免除)。
この中で簿記論は2回受験しているので、最も長く勉強しました。
今日は簿記論合格のために必要なことを書きたいと思います。
1、相対試験であるという意識を持つ
簿記論を最初の受験科目にする人が多いので、まずお話ししておきたいことが「税理士試験は相対試験であることを忘れてはならない」ということです。
相対試験であることは承知していても、勉強中にその特性を見誤ってしまう恐れがあります。
相対試験であるが故の大事な特性は、
ライバルは試験問題ではなく他の受験生
ということです。
ですので、他の受験生がどれくらいできるのか? 情報収集は欠かせません。
予備校
直前期に言うべきことではないかもしれませんが、TAC 又は大原のいずれかの予備校で受講した方が良いです。
理由は相対試験であるからです。
なぜ、相対試験だから大手2校で受講すべきかと言うと、他の大部分の受験生がそのようにしているからです。
他の受験生と違うことはやらない方が良いというのが私の率直な考えです。
簿記論は特に顕著なのですが、税理士試験の全ての科目で「正答率が高い問題ほど高い配点がふられる」傾向があると思われます。
どの問題が正答率が高くなるかと言うと、多くの受験生が簡単と思える問題ということになります。
そしてその多くの受験生は TAC か大原にいるのだから、そこで与えられる教材、そこで受ける講義の中から簡単と思える問題、難しいと思える問題が出てくるわけですね。
他の多くの受験生が触れるものには自分も触れておかなければなりません。他の受験生が簡単と感じる問題は自分も簡単だと思えるようにならなければならないし、逆に難しいと感じる問題は自分も難しいと思えるようにならなければなりません。
コバンザメのように動き、最後にちょろっと出れるかどうかで勝敗が決まると言えるでしょう。特に簿記論は。
基礎をおろそかにしない
先にも書いたように、本試験では簡単な問題の取りこぼしは挽回が難しくなります。しつこいようですが簿記論は特に。
本試験では得点できる箇所は限られています。その得点できる箇所の取りこぼしがいかに少ないかで勝敗が決まると言っても良いでしょう。
ですので、やはり基礎は大事です。
日頃から基礎的な問題を解くときには、慎重に解くようにしましょう。
簡単な問題ほどさっと終わらせてやれっ! って思いがちですが、むしろその逆で簡単な問題ほど慎重に解く意識を持った方が良いです。
ミスったときのダメージが大きいので。。
複数回目の受験の方は特に注意が必要だと思います。
私も2回目の受験に向けて勉強している際に感じたことなのですが、1回目と比べて難しい問題への対応力がアップしているのでついつい難しい問題を解こうとしてしまいます。
しかし、大事なのはやはり簡単な問題を取りこぼさないことです。
複数回目の受験で慣れてしまっている場合ほど意識しなければならないことでしょう。
日頃答練を解く際に問題を目の前にして「やっつけてやるっ!」ていう意識を持つのも危険です。答練は慣れで何とかなっても同じスタンスで本試験に臨むと逆にやっつけられてしまうので、攻めではなく守りのスタンスを持ち、あくまで簡単な問題を取りこぼさない意識で行きましょう。
2、直前期にやるべきこと
さて、具体的に直前期にやるべきことを自分の経験に基づいて書いてみます。
答練の会場受験
これは自分のように Web 受講している方に言えることですが、答練の会場受験は絶対に経験した方が良いです。
日頃部屋で1人で時間を測って問題を解くのと、周りに人がいる環境で解くのでは緊張感が全然違います。
本試験だけ周りに人がいる環境で受験するのは、その緊張に耐えられない可能性がありとても危険です。
私の場合1年目は会場受験は全国公開模試だけでしたが、2年目から会場受験の回数をかなり増やしました。
三島から東京の TAC まで通うのは交通費の負担も大きかったですが、やって良かったと思っています。
私が税理士になるまでの約5年間の過程は全て Web 受講でした。・2013年1月に合格した日商簿記1級・2014年12月に合格した簿記論、財務諸表論・2015年12月に合格した国税徴収法・2017年3月に卒業した東亜大学通信制大学院Web 受講を選んだ理由は単純に通勤圏内に予備校が無かったからです(> 簿記1級も税理士試験も大学院も、全て Web 受講で税理士になった経験から言える We... - My タックスノロジー |
毎日答練の解き直しをする
2時間の本試験形式の問題に慣れる必要があります。
答練の日はそれができるので良いのですが、答練が無い日はこれまでに受けた答練の解きなおしを必ず毎日やるようにしましょう。
1日1回だけで良いです。
2時間の中で第1~3問をどの順番で解いてどのように時間配分するか 自分に合ったやり方を確立しなければなりません。
そのためには毎日繰り返し練習することが必要です。
私は全ての答練の問題を5回ずつは解き直しました。
答練の解き方についてはこちらの記事を参考にして下さい↓
税理士試験の本試験に向けて、答練では試行錯誤を繰り返しながら自分に合った解き方を確立しなければなりません。今日は、簿記論の答練をどのように解いていたか、当時の資料を見ながら記憶を掘り起こしてまとめてみました。数ヶ月後にはじまる答練の対策として、参考にして頂ければと思います!!1、簿記論の答練で注意することまず、答練にのぞむスタンスとして注意していた点をあげたいと思います。時間配分第1問〜第3問、それぞれ時間配分を決めるようにしましょう。答練を繰り返すうちに自分に合った配分を決めれば良いでしょう。... 税理士試験 簿記論 答練の解き方 - My タックスノロジー |
初見の問題に触れる機会を試験直前まで持っておく
答練の解きなおしは重要ですが、初見の問題を解く機会は直前まで持っておいた方が良いです。
本試験で解くのは初見の問題だからです。
解き直しだと間が空いていてもどこか問題が頭に残っているので初見の問題の練習にはなりません。
私は、答練が全て終わってからも初見の問題に触れるために TAC でファイナルチェックというカリキュラムを受けるようにしました(今もあると思います)。
個別問題の解き直し
個別問題の解き直しも第1、2問対策として大事です。
繰り返し解くようにしましょう。
オススメのやり方は、同じ論点を続けざまに解かないでランダムで解く練習をすることです。
同じ論点を続けて解くと頭がその論点に慣れるので、後に行けば行くほど頭が出来上がりその論点を得点しやすくなります。
しかし、本試験の個別問題は基本的に1つの論点は1問しか出ませんので、徐々にその論点に頭が慣れて行くということはありません。
いきなりその論点を解かなければならないわけです。
ですので、異なる論点をランダムに解く練習は本試験対策としてオススメです。
税理士試験の簿記論はけっこう長い間勉強しました。今試験勉強をしている方は直前期の真っ只中だと思います。今日は、簿記論の直前期の学習で意識していたことについて書きたいと思います。1、必要以上に教材を増やさない直前期だからといって教材を増やす必要はありません。自分が講義を受けた予備校のテキスト、問題集、答練、過去問があれば十分です。他の予備校の教材や市販の問題集を買う必要は無いです。これまでに一度解いた問題を繰り返し解くことが一番効果的です。なお、全国公開模試(TAC の場合)は必ず受けた方が良いです... 税理士試験 簿記論は直前期には答練の解き直しを毎日やる、個別問題をランダムで... - My タックスノロジー |
最後の2週間の計画を立てる
本当に直前の最後の2週間に何をやるか、細かく計画を作りましょう。
答練の解き直しは毎日やるとして、どの回のものにするか、個別問題はどこを解くかなどを計画して1つ1つ消化していきます。
2週間前というのは、本試験に向けてやることを増やしてはいけない時期です。
計画したことを消化して、徐々にやること減らしていきましょう。
あと答練の解き直しについて、前日は簡単な回のものにした方が良いと思います。
その方がいいイメージを持って本番に臨めるからです。
3、まとめ
簿記論に合格するために必要なことを自分がやったことを元に書いてみました。
簿記論は初受験の方も多く、税理士試験がどういう特性のものかまだ肌で感じ取れていない方もいると思います。
私は1回本試験の自己採点でボーダーラインを越えながら不合格を経験しました。
原因は相対試験に対する意識が甘かったことです。
私の税理士試験の初受験は、今から約3年半前の平成25年8月に開催された第63回税理士試験でした。受験科目は簿記論で、結果は不合格でした。この不合格の結果を受けて、次の受験に向けどのような対策をしたか書きたいと思います。1、自己採点結果自己採点は第1問14点、第2問10点、第3問21点 合計45点でした。予備校が出す問題のランクごとの正答率は・Aランク(正解しなければならない問題) 24個 / 27個 89%・Bランク(できれば正解したい問題) 10個 / 15個 67%・Cランク(合否に関係のない問題) 3個 / 44個 7%でした。ボー... 第63回税理士試験 簿記論不合格の結果を受けて対策したこと - My タックスノロジー |
試験問題との戦いではなく他の受験生との戦いであることを再認識しましょう。最も重要なことです。
私が今日書いたのは、相対試験であるという大前提から出てくる対策内容ですので。