Excel(エクセル)の VLOOKUP 関数の使い方について、これまで何回か説明しました。
Excel(エクセル)でデータの一覧から、条件に一致する情報を取り出したいときがあると思います。そんなときに使える便利な関数が、VLOOKUP 関数です。この関数を使えば、例えば・「従業員の名前」という条件から「年齢」という情報を引っ張り出す・「生徒の名前」という条件から「テストの点数」という情報を引っ張り出すといったことができます。今日はこのVLOOKUP 関数の使い方について説明します。1、条件から情報を検索するVLOOKUP 関数 は「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」となり4つの引数を用います。少々ややこしい関... Excel(エクセル) VLOOKUP 関数の基本的な使い方、検索方法をFALSEにして完全一... - My タックスノロジー |
Excel(エクセル)でデータの一覧から、条件に一致する情報を取り出す方法として、VLOOKUP 関数について以下の記事で説明しました。VLOOKUP 関数 は「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」のように4つの引数を用いて記述します。最後の「検索方法」ですが、「TRUE」、「FALSE」のいずれかを入力します。・TRUE 近似一致・FALSE 完全一致上の記事では4つ目の引数「検索方法」を FALSE にしていました。今日は「検索方法」がTRUE の場合のあいまい検索について説明したいと思います。1、「検索値」の候補となるデータが範囲で区... Excel(エクセル) VLOOKUP 関数の基本的な使い方、検索方法をTRUEにしてあいまい... - My タックスノロジー |
また、経理職・会計事務所での使用例についても紹介致しました。
サラリーマンは毎月所得税を源泉徴収(給料から天引き)されています。源泉徴収税額は、源泉徴収される人の・社会保険料等控除後の給与等の金額・扶養親族等の数をもとに源泉徴収税額表を用いて計算します。源泉徴収税額表は、国税庁が発行するこのような↓紙の資料です。また、国税庁のHPでPDF版やExcel版をダウンロードすることもできます。平成29年分の月額表のExcel版をダウンロードして使います。ダウンロードした直後は、ファイルの拡張子が xls となっており、互換モードで開くので拡張子を xlsx にして保存し直します。今日は、... Excel(エクセル) 源泉徴収税額表でVLOOKUP 関数を用いて源泉徴収税額を計算する... - My タックスノロジー |
さて、今日は経理職・会計事務所での使用例を追加したいと思います。
Excel で仕訳を入力する際に、科目をコード(番号)で入力し科目名に変換するケースを紹介します。
1、会計ソフトに合わせて科目は科目コードで入力し、VLOOKUP 関数を使って科目名に変換する
会計ソフトに仕訳を入力する際には、科目コード(例えば3桁で、「111」)を使います。
まず、そもそも仕訳入力を減らすために
・銀行取引の履歴を csv ファイルで入手して、マクロ(Excel VBA)を使って会計ソフトにインポートできるように並び替えて使う
・freee を使って銀行取引のデータを取り込む
などのことを積極的にやった方が良いと私は思います。
しかし、やはり1つ1つ仕訳を手入力しなければならないケースもあるわけですが、その場合
①会計ソフトに直接入力する
②Excel で自分がカスタマイズしたシートに入力し、後で会計ソフトにインポートする
というやり方などがあります。
さて、今日は②の仕訳を Excel に入力する場合を考えてみたいと思います。
前に、こちらの記事↓の中で説明した Excel で作った振替伝票を例に取り上げます。
経理職や会計事務所の仕事において、会計ソフトを使うのが主流である今、手書きの伝票は使う必要はありません。最初から会計ソフトに仕訳を入力すれば事足ります。しかし、現実には様々な事情がありどうしても伝票を作らなければならないことがあります。私の場合は、手書きの振替伝票は使わずに Excel で作った振替伝票にPC上で仕訳を入力しています。そして、振替伝票に入力した仕訳をマクロ(Excel VBA、UWSC)を使って、会計ソフトに自動で取り込む仕組みを作ってあります。*なお、今日これから紹介する振替伝票と同様に、マクロ(... Excel で作る振替伝票、マクロ機能(Excel VBA、 UWSC)を使って会計ソフトに仕訳デ... - My タックスノロジー |
Excel に科目を入力する際には、普段使う会計ソフトと同様に入力する前提です。
このように↓、仕訳入力箇所(JDL の会計データ入力と同様に入力)と、振替伝票として表示するプリントアウト箇所に分けています。
科目はコード(番号)で入力します。
仕訳入力箇所に入力した内容を、数式、関数を用いてプリントアウト箇所に反映させています。
まず、科目コードを普通に「=」を使って写します。
・借方科目については、セルAK22に「=L22」
・貸方科目については、セルAP22に「=M22」
のように入力してあります。
次に、プリントアウト箇所の、「科目コード」から「科目名」を抽出しています。
ここで VLOOKUP 関数を使っています。
ファイルの中に「科目一覧」という名前のシートを作ってあり、その中にJDL会計データ入力からエクスポートした「科目コード」と「科目名」の一覧が入っています。
VLOOKUP 関数で、「科目一覧」シートから、科目コードに該当する科目名を引っ張り出すために
借方、貸方とも数式を埋め込んであります。
2、VLOOKUP 関数の使い方
さて、以前にこちらの記事で説明した内容と同じですが VLOOKUP 関数の使い方を説明しておきます。
Excel(エクセル)でデータの一覧から、条件に一致する情報を取り出したいときがあると思います。そんなときに使える便利な関数が、VLOOKUP 関数です。この関数を使えば、例えば・「従業員の名前」という条件から「年齢」という情報を引っ張り出す・「生徒の名前」という条件から「テストの点数」という情報を引っ張り出すといったことができます。今日はこのVLOOKUP 関数の使い方について説明します。1、条件から情報を検索するVLOOKUP 関数 は「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」となり4つの引数を用います。少々ややこしい関... Excel(エクセル) VLOOKUP 関数の基本的な使い方、検索方法をFALSEにして完全一... - My タックスノロジー |
VLOOKUP 関数 は「=VLOOKUP(検索値,範囲,列番号,検索方法)」となり4つの引数を用います。
少々ややこしい関数ですが、まず「引数が4つ」ということを覚えると良いと思います。
例えば、次のように従業員の情報(名前、性別、年齢)をまとめた表があったとします。
そして、セル「H4」に入力する従業員の「名前」から「性別」と「年齢」の情報を引っ張り出したい場合、
・性別を表示させるセル「H5」に「=VLOOKUP(H4,B6:D15,2,FALSE)」
・年齢を表示させるセル「H6」に「=VLOOKUP(H4,B6:D15,3,FALSE)」
と関数を入力します。
その状態で従業員の「名前」をセル「H4」に入力すると、その従業員の「性別」と「年齢」の情報がそれぞれセル「H5」とセル「H6」に表示されます。例えば名前が「あああ」の従業員であれば↓のようになります。
同様に、名前が「おおお」の従業員であれば↓のようになります。
このように、個々の従業員の情報を「名前」という条件から検索できるようになるのです。
さて、4つの引数(検索値,範囲,列番号,検索方法)の意味について説明したいと思います。
検索値
まず、「検索値」というのは検索の条件のことです。この例では従業員の「名前」という条件で検索していることになります。
性別を表示させるセル「H5」に「=VLOOKUP(H4,B6:D15,2,FALSE)」と入力しました。「検索値」はセル「H4」となっており「H4」に入力された「名前」と一致する従業員の情報を取り出すことになります。
範囲
「範囲」とは検索の条件である「検索値」の候補となるデータごとの情報の集まりです。上の例ではB6~D15が該当し「B6:D15」のように書きます。
ここで1点注意が必要なのですが、「検索値」の候補となるデータはこの「範囲」の一番左側の列(B列)にしなければなりません。
「名前」の候補がB列に並んでなければならないということです。
「あああ~こここ」までの名前の中から「検索値」に一致するものを探し出します。
列番号
「列番号」とは「範囲」の中で「検索値」の候補となるデータの列を1列目とした場合に、何列目の情報を取り出したいかを表します。
・1列目(B列) 「名前」
・2列目(C列) 「性別」
・3列目(D列) 「年齢」
となります。
「性別」を表示させるセル「H5」の場合は、この「列番号」は2(列目)となります。
検索方法
最後の「検索方法」ですが、「TRUE」、「FALSE」のいずれかを入力します。
・TRUE 近似一致
・FALSE 完全一致
という意味です。
上の例ではFALSE としており、セル「H4」に入力した「検索値」とB列の「検索値」の候補となるデータが 完全に一致するものを取り出します。
セル「H4」に「おおお」と入力した場合は、B列の名前(検索値の候補となるデータ)から「おおお」と完全に一致する場合の情報を取り出すということです。
*なお、「検索方法」をTRUEにして良いケースというのは「検索値」の候補となるデータが数値の場合です。この場合についてはまた別途どこかで説明したいと思います。
セル「H5」の数式により
①B列の中で検索値「おおお」と完全に一致するデータを探す
②「おおお」と同じ行で 2列目のデータを探す
ということをやっているのです。
3、別のシートからの検索
さて、今回の振替伝票で VLOOKUP 関数を使う場合についてですが、「範囲」が同じシート内にはなく別のシート「科目一覧」の中にあります。
VLOOKUP の「範囲」を入力する際に、「科目一覧」シートの中の該当するセルを選択します。
数式は
「=VLOOKUP(AK22,科目一覧!$A$8:$B$500,2,FALSE)」
のようになります。
別のシートから検索する場合には、「範囲」を記述するときに「科目一覧! 」のようにシート名に!を付けて表記し、その後に範囲($A$8:$B$500)を書きます。
なお、範囲の書き方ですが「A8:B500」ではなく行と列の前に「$」を付けて「$A$8:$B$500」とすることによって固定されます。
1つの振替伝票の中には複数の行があるので、一番上の「=VLOOKUP(AK22,科目一覧!$A$8:$B$500,2,FALSE)」という数式を、他の行にコピペしていますが、範囲の行と列の前に「$」を付けることによってコピペした後も、範囲だけは固定されます(ずれ込まない)。
3、まとめ
さて、経理職・会計事務所の業務における VLOOKUP 関数の活用事例を紹介しました。
VLOOKUP 関数を使えれば、かなり色々なことに応用が効くようになります。
自分で表を作成したり、数式を組み込んだりすることが楽しくなりますので、是非覚えて頂きたいと思います。