はじめろぐ

製造業のエンジニアは工業簿記・原価計算を勉強すると視野が広がる

元エンジニアでかつ現在は税理士である立場から言えるのですが、エンジニアは工業簿記・原価計算を勉強すると仕事上の視野が間違いなく広がります。

一見簿記・会計とは遠い位置にいるように見えるエンジニアですが、これらを勉強しておくことに越したことはありません。

エンジニアと税理士、両方を経験して今改めてそう考えます。

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1、なぜ製造業のエンジニアが工業簿記・原価計算を勉強した方が良いと思うのか

工場実習での製造現場の経験

私はもともと自動車部品メーカーに勤めてました。

会社に入社してまず半年ぐらいは新人研修の期間だったのですが、その中で2ヶ月間工場実習がありました。

製造現場で完成したセンサーの耐圧特性をひたすら測るという作業を担当しました。

手袋をはめた状態で、右に何歩動いてセンサーを手にとって、それを治具にはめ込んで、油を密閉して、120℃に加熱された高温室に入れ込んで・・・

という作業を繰り返しやりました。

総合職採用だったため研修期間終了後は現場作業を経験することは無かったので、これが最初で最後の現場経験になったわけですが、

今考えれば製造業で会社の利益が出るかどうか、一番影響するのが製造現場だったのだと思います。

若い時期はお金の計算には疎い

エンジニアの仕事は研究、開発、設計、生産技術など様々な分野があります。

この4つで言えば「生産技術→設計→開発→研究」の順番に製造現場に近い、つまり市場に流れる完成品に近い位置付けの仕事になります。

生産技術のようにもろ製造現場を意識しなければならない仕事であれば、製品の原価すなわちコストを安くするにはどうすれば良いか日々考えることになります。

ただ、研究や開発といった市場に流れる製品とは遠い位置付けの仕事をしていると、なかなかコスト意識を持てません。

上の立場の人々はまだしも、若手だとコスト意識はかなり薄いです。

ちなみに私が経験したことがあるのは、開発と設計でした。

設計を担当していた頃は、コストアップしないような設計をしなければならないという意識を少しは持っていました。

ただ、設計とコストがどう結びつくかというイメージがなかなかつかめませんでした。

コストの計算の仕方を全く理解していなかったからです。

会社の利益は単純に「利益 = 収益 − 費用」の式で計算できます。

製品コストは費用に含まれまれるので、コストを下げることは会社の利益を上げることに繋がります。

そして、工業簿記・原価計算を勉強すれば製品コストがどのように構成されるか体系的に学ぶことができます。

開発や設計担当者が日頃やっている仕事が、
製造現場にどのように反映されて、コスト面でどのような影響が出るのかイメージがつかめるようになるのです。

製品の開発・設計の段階からコストダウンを意識できるようになるので視野がグッと広がります。

材料費、労務費、経費

コストは大きく材料費、労務費、経費に分けられて、それぞれに直接費と間接費があります。

材料費、労務費、経費それぞれ複雑な計算をするわけですが、製品を作る上でどれも低いに越したことはありません。

材料費を下げるということは、製品のスペックを満足できる最も安い材料を使うことに繋がります。

労務費を下げるためには、製造工程の効率化は欠かせません。

私が工場実習で製造工程の仕事をしたときに、現場の人は作業者の動きに無駄が出ないように検査機器や工具の配置を考えていましたが、工業簿記・原価計算を勉強するとそういう工夫1つ1つが労務費を下げることに繋がることがよく分かります。

2、具体的には日商簿記2級のテキストを勉強するのが適している

私は2008年(社会人5年目)の時に日商簿記2級の資格を取りました。

日商簿記2級の学習範囲には工業簿記・原価計算が含まれます。

当時はまだ会社を辞めて実家の会計事務所に入ることは考えていませんでしたが、何となく会計というものに興味があったので勉強しました。

簿記2級は資格試験なので実務でのコスト計算とは異なる部分はたくさんあると思いますが、

・コストが発生する仕組み
・コスト計算の仕方

を理解する上でとても役に立ちました。

ですので試験を受けるかどうかは別として、簿記2級の試験用テキストは読んだ方が良いです。

3級を勉強したことがない人は3級→2級の順番に読み進めると良いでしょう。



3、まとめ

エンジニアの人が工業簿記・原価計算を勉強するとコスト意識を持って仕事をすることができます。

研究・開発など製造現場からは遠い人であっても勉強する意味はあります。むしろ製造現場からは遠い人ほど勉強した方が良いでしょう。

技術だけではなく自分の仕事が最終的にどのように会社の利益に結びつくのか、逆に言えば会社の利益を上げるために自分は日々どのように仕事をすれば良いのか考えれるようになると思いますので。

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