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親子の事業承継が進まない理由とその解決策

静岡県三島市の税理士、松井元(@hajime_matsui)です。
こんにちは!

事業承継は、親から子へのスムーズな引き継ぎが理想ですが、実際には形だけの承継にとどまっているケースが多く見受けられます。

今回は、私自身の経験を踏まえ、なぜ親子間での事業承継がうまくいかないのか、そしてその改善策についてお話しします。

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親子の実質的な事業承継の妨げとなっているよくある理由

零細事業者でよくあるのが「財源の管理を親が引き続き行っている」という状況です。

個人事業であれ会社の社長であれ、事業者の名義が子どもに変わったとしても、資金の管理や決定権を親が持っている場合、実質的には事業承継がなされていないと言えるでしょう。

例えば、預金通帳の管理や資金の出し入れを親が引き続き行っていると、表面的には子どもが事業主であっても、実際の経営判断は親が行っていることになります。

これは、事業の根幹を成す財源管理が子に移譲されていないためです。

財源管理を子が引き継ぐことの重要性

お金の管理は、事業を運営する上で最も重要な要素の一つです。

財源の管理を自分で行わなければ、いくら事業者の名義が変わったところで、事業の実態が変わることはありません。

親子間の事業承継を成功させるためには、財源管理を親から子へ完全に引き継ぐ必要があります。

自分の場合は親から事業を承継して個人事業主になったわけですけども、引き継ぐ際にこの点を強く意識しました。

個人事業主になるとともに自分名義の口座を作り、その後は財源管理は完全に自分が行うようにしました。
(最初からきっぱりと親が口座の管理をすることはできない状態です。)

事業を引き継ぐ際には借入も自分の名義で行い、経営判断をすべて自分で行うようにしたのです。

これにより、事業承継が形だけでなく、実質的にも成立したと言える状態になりました。

実質的な事業承継のために

親が事業承継後も財源管理を続けている場合、事業の実権がどちらにあるのかが曖昧になり、子が本当の意味で経営を引き継いだとは言えません。

したがって、事業承継を検討されている方や、すでに名義上は事業主であっても実質的に親が管理しているという方は、ぜひ財源管理を自分で行うことをお勧めします。

特に、個人事業主や零細企業の事業承継においては、この点が非常に重要です。

財源管理を子が行うことで、初めて事業承継が実質的にも完了したと言えるでしょう。

まとめ

事業承継は形だけではなく、実質的な経営権の移譲が伴って初めて成功すると言えます。

財源の管理を親から完全に引き継ぐことで、子が真の事業主として舵を取ることができ、事業承継の課題を乗り越えることができるのです。

事業承継を検討している方は、この点を意識して取り組んでみてください。

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